―…貴方が好きでした～愛と嫉妬の四重奏～ (ページ16)

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前世１５７ページ16

そして不幸にも、俺の嫌な予感は的中してしまった

タトは姫さんに振られたダメージを負い、更に同じ時期に"実の母は自分を生んだ瞬間に亡くなってしまった"事を知ってしまったのだ。

誰だか知らない間に出来た子供、というのは使用人達が勝手に話していた噂話で極一部の関係者にしか妃が亡くなったことを知らせていなかったらしい

不幸の連鎖が続き、ついにタトは俺の知らないところで行動を起こしていた

もしそこでタトの計画に気づけていたら

≪誰がこんなことを指示したっ!!お前達今すぐ下がれ!!!≫

≪ラン様、これは王子直々の指示でございます故、いくらあなた様の指示でもそれは聞きかねます≫

≪タトが…!?≫

あそこでタトを止められたら

≪タト、お前何考えているんだ!こんな事して、本当に戦争を起こす気か!?≫

≪お前言ってたじゃないか!!笑顔あふれ、街の民が心地よく過ごせる国を作りたいと!!こんなことをしたら…っ≫

≪ラン…お前にはわからないさ、愛を受け育ったお前には≫

≪タト…っ!!≫

俺達があのまま

≪俺が…俺があいつを止めないと……っ≫

平和に暮らすことは出来ただろうか

≪!? ｸﾞﾊｯ ……ランｯ、お前…ッ何を……!!!≫

俺が

≪ごめんっごめんなタト……っ≫

≪ランｯｯ貴様俺を裏切るのか…っ!?≫

タトを殺すなんて未来は

≪もっもうこんな事はやめてください…っ、見ていてこちらがとても苦しいですっ≫

≪お、まえ…ｯ≫

≪もう…っ、終わりにしましょう…??≫

―…存在せずに済んだのだろうか

(アイツの過去を知っていながら止められなかった、俺の失態だ)

あんなによくしてくれたリヒトやお姫様を傷つけ、大事な人の間違いに気づけず救えなかった

どれだけやり直したいと願った事か。

(……でも)

今はどういうわけかやり直せる機会がある

俺はこのチャンスを絶対に逃さない

あんな泣き虫ともいえるほどきの弱いタトに、あそこまでの行動力を起こさせた"第三者"が必ず存在するはずだ

俺はその第三者を必ず見つけ、あんなことをタトにさせた償いをさせる…ｯ

タトを守るのは、タトを救うのは

「＿＿＿＿…俺の役目だ」

*