前世１４１ ページ47
小さい頃からずっといっしょで、幼稚園、小学校、中学と同じ学校に通った
何をするにもほとんど一緒で、同じサッカーというスポーツに興味を持ち始めた
それだけ一緒にいれば自ずと互いの考えていることも、わかってしまったりする
……だから今回もそうだ
(神童……いや、タトはもうそう遠くない未来で再び行動を起こす…)
今の神童を見ているだけでわかってしまった
もうほとんどの時間がタトによって奪われているという事を。
神童からタトに切り替わっているとわかっている時でも、それでも俺が神童と呼ぶのはきっとそんな野望を止めたいからだろう
「神童」
「……なんだ、霧野か!どうかしたか?」
「今時間あるか?」
「あーすまない、ちょっとこのあと用があってな…」
「…そっか、じゃぁまた今度でいいや」
「ごめんな?」
「きにすんなって、じゃあな」
恐らくタトはサンナの元へ行くのだろう
何故かはわからないが
(何とも残酷な事を…)
神官のサンナ＝リグライナ
神官長にさえ遅れを取らないと言われるほどの実力を持っていながら、掟を破りこちらにつく女
そして…
(タトを慕っている…)
どういうわけかどちらにも肩入れしてはいけない神官が、どういうわけかアイザインに肩入れしている
その理由がタトを想うところからきているんだろうが…
(今のタトの計画に肩入れするなんて、寧ろサンナからしたらマイナスなんじゃないか?)
そう考えていると頭の中にランの声が聞こえてきた
≪…タト様は寂しいだけなんだ≫
って
「寂しいだけ…?」
欲しいものは手に入れ、トップに君臨し、自分で言うのもあれだが優秀な側近がいたにも関わらず寂しい?
何故彼はこれほど恵まれているにもかかわらず、寂しいなど…
≪霧野蘭丸…俺の生まれ変わり……頼む、タト様を止めてくれｯ≫
「えっ」
(だって俺は…お前はそのタトの側近者じゃ…)
それなのに止めて欲しいって
≪タト様の生い立ちを、君に話す。だからそれを…リヒトに伝えて欲しい≫
「リヒトに…?」
≪きっとこれで君の抱く疑問も解消されるはずだ≫
「……」
そこまで言われたら聞くしかないだろ
「わかった、教えてくれ」
*
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倉狩莉緒菜(プロフ) - Vermutさん» コメありがとうございます!!コメがもらえてとてもうれしいです!!!更新頑張ります!!! (2018年3月13日 16時) (
レス) id: cee2073a15 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - すっごく面白いですね！！更新楽しみにしてます！！ (2018年3月11日 18時) (レス) id: d3f0b80636 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/futere/
作成日時：2018年3月10日 1時
