前世１３７ ページ43
「テメェ…ｯ」
「ちょっ、倉間先輩ダメです!こんなところでやり合ったら、古い建物です!すぐに崩れ落ちます!!」
「だからなんだ!!コイツがｯ コイツがAに何かしたかも知らねぇんだぞ!?」
俺のことを必死に押さえつける狩屋
そんな狩屋を振りほどいて俺はタトに駆け寄ってやりあおうと、抵抗する
「あーなんか誤解してるようだから一応言っとくぜ?」
「誤解だ?!」
「俺はある魔力を感じたからここに来た、その魔力っつーんはそこで眠ってるコイツのもの。姫の魔力を感じて俺はここへ来た
手を出そうとしてたことは否定しねぇ、確かにそのつもりでここに来たからなあ?」
「っ」
「でもいざって時にコイツは」
「っ! それ以上そいつに近づくなっ……て……ぇ?」
タトが倒れているAのそばにより触れようとするが、そこには確かに何かしらの壁があった
(そういえばA専用の魔法で、自身を守るものがあった…ってことはそれを発動させてタトの手から逃れたってことか?)
「どんな魔法かは知らねぇが、どんな事をしてもこれが俺の邪魔をして近づこうにもこれ以上先には行けねぇ
つーわけで俺はまた出直すよ」
「なんだと!?」
「『姫が誰なのか』、分かったことだしなぁ?」
「ｯｯ」
「ﾁｯ」
(まずい…だいぶ厄介な展開になったｯ)
倉間先輩が前世の記憶や未だ思い出していない今までの全てを思い出す前に、タトに誰が姫なのか知られるという最悪のケースに…っ
(今はA先輩があの専用の魔法を使ったことが幸いだったけど…これはもう長い時間持たない……)
「次に会う時が最期だ、そこで俺は幸せになってみせる……いや、なるんだ!!!」
そういうと魔法を使って瞬間移動をするタト
恐らくアレがタト専用魔法なんだろう
ｶﾞｸｯ っと地に膝を落とす倉間先輩
俺は掴んでいた腕をそっと離した
「倉間先輩、ひとまずA先輩をどうにかしないと」
「……あぁ」
タトに姫を知られた事に相当焦っているようで、いつもの倉間先輩らしくは無かった
ここは俺がしっかりするしかない
俺達がA先輩の近くにより触ろうとすると、先程のバリアのようなものに阻まれる事は一切なかった
「おいA!しっかりしろ!! おい!!!」
A先輩を抱え起こした後に何度か揺さぶったり、声をかけたりと繰り返し行うとすぐに目を覚ました
「っ、よかった…」
*
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倉狩莉緒菜(プロフ) - Vermutさん» コメありがとうございます!!コメがもらえてとてもうれしいです!!!更新頑張ります!!! (2018年3月13日 16時) (
レス) id: cee2073a15 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - すっごく面白いですね！！更新楽しみにしてます！！ (2018年3月11日 18時) (レス) id: d3f0b80636 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/futere/
作成日時：2018年3月10日 1時
