前世９７ ページ4
そんな脅しを受けて、この日までずっと一人でそんな恐怖と戦わせてしまった
「早く気づいてやれなくてごめん…」
「倉間が責任を感じることなんかないよ!カイもそう言ってる、カイも俺も寧ろ自分の無力さに不甲斐ないよ…脅しなんかに屈しちゃうなんてさ」
「んなことねぇよ!」
「倉間…」
「俺だって…! 仲間人質に取られちゃ敵わねぇよ……っ」
じわっと視界が滲むのがわかった
「……教室、戻ろう?倉間」
その優しい声を聴いて、零れ出そうになった涙を手で拭う
「! あぁ」
そのあとは浜野が差し出した手を取り、俺達は教室に帰った
「倉間…!」
教室に入れば一目散にAと速水が駆け寄ってくる
「大丈夫だった!?」
「二人とも怪我はありませんか!?」
「大丈夫!見ての通りピンピンだよ〜!」
２人の質問に浜野が元気よく返事を返す
「浜野の事を味方内に説明をしたい、あと屋上での事も。皆が知っていないと危険だからな」
「じゃぁお昼休み屋上にまた集まる?」
「いや…お昼はいつもサッカー部で取ってるし、今日だけ別々に何人か抜けて食べるのは返って怪しまれる」
「じゃぁ一体いつ…!」
「放課後……うん、放課後だ」
「ちゅーか部活前に集まるって事?」
「あぁ、予め仲間には連絡を入れて旧部室の中で落ち合おう」
「確かにあそこなら誰も来ませんしね」
「わかった」
「おーいお前ら〜HR始めるぞー」
「先生来ましたね」
「すわろっか」
HRを始めるとの事で先生の登場
なんだか今朝の事が衝撃すぎて
ここから一日の学校が始まるんだと思うと、とてつもなく長い時間に感じられる
(そういえば……)
ふと自分の手のひらを見つめる
―…あの時俺は確かに魔法を使った
「倉間ー」
「……」
「倉間ーおーい」
「ぁ、はい!」
「なんだ疲れてんのかー?」
「ぁ、いえ…すみません」
「サッカーもほどほどにしとけ〜?」
なんて先生が言うもんだからクラス中が笑いに包まれる
(俺がサッカーバカみてぇじゃんか……)
浜野ならともかく、俺までそんな目で見られたらたまったもんじゃない
(俺が今考えてんのはサッカーじゃなくて魔法だっつーの…)
第一こんな気持ちでサッカーしたところで、いいサッカーが出来るわけがない
(……情けな、今になって震えがｯ)
反動遅すぎだろ
「……倉間 ﾎﾞｿｯ」
*
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倉狩莉緒菜(プロフ) - Vermutさん» コメありがとうございます!!コメがもらえてとてもうれしいです!!!更新頑張ります!!! (2018年3月13日 16時) (
レス) id: cee2073a15 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - すっごく面白いですね！！更新楽しみにしてます！！ (2018年3月11日 18時) (レス) id: d3f0b80636 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/futere/
作成日時：2018年3月10日 1時
