前世１１３ ページ20
*
目が覚めた時、俺の視界に入ったのは心配そうに俺を見るAの顔だった。
「倉間、大丈夫…?」
「ぁ……」
訳の分からない夢を見たせいなのか
「倉間!?」
「わり、少しこのままでいさせて」
「…?」
俺はAを抱きしめずにはいられなかった
当然、突然の事にAは困惑している様子
それもそうか、こんな事したのは初めての事だし
(けど…それでも……)
何故だか今は抱きしめたかった。
「おっはよー!倉間!!ちゅーか起きてる〜?」
「はっ、浜野…!!」
「およ…?なんか俺邪魔しちゃった感じかな??」
「ちっ違うの!!!これは事故というかなんと言うか…っ」
起きてきた浜野がシートの上から俺たちを覗き、俺がAに抱きついている所を見られ、Aが必死になんて説明しようかとあたふたし始める
「誤解だよ、俺が起き上がろうとした時ちょっと事故ってAを引っ張っちまったんだ」
「倉間…」
「な〜んだ!つまんないなー」
そんな事を言いながら浜野は自席に戻っていく
「あ、あのさ倉間! なんか魘されてたけど大丈夫…?」
「あぁ、訳わかんねぇ夢で少し胸糞悪かっただけだ」
「そっそっか、もし力になれるようなことがあったらー…」
「ねぇよ」
「へっ…?」
「だからねぇって」
何故今、そんな風に言ってしまったのか
(俺は一体…っ)
自分でも驚く程低い声でAにそう告げていた
勿論Aも驚いていた
こんな風に返ってくるとは予想していなかったんだろう
いやだから俺だって驚いてるわ
Aは魘されている俺を見て心配しこうして声をかけてくれているんだ、それは良くわかっている
なのに俺は今なんてことを……
「ごめんね、軽々しく何が出来ること…なんか言っちゃダメだったよね」
「ぁ、いや」
「それに…私なんかに出来ることがあったら倉間がやってるよね」
「A…っ」
「じゃ、私ちょっと神童達のとこ行ってくるわ!!」
「あっ、おい…!!」
俺の静止に耳も傾けずに、Aは席を立って神童達のところへ行ってしまった
(どうしたんだよ俺…)
何だかあの夢を見てから変な気分だ
確かに苛立ちはしたが何もそれでAに当たる事も無かったはずだ
なのに…っ
(ごめんA、お前は何も悪くない…これは俺の問題なんだ)
リヒト、お前は俺に一体何を伝えたいんだ…?
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倉狩莉緒菜(プロフ) - Vermutさん» コメありがとうございます!!コメがもらえてとてもうれしいです!!!更新頑張ります!!! (2018年3月13日 16時) (
レス) id: cee2073a15 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - すっごく面白いですね！！更新楽しみにしてます！！ (2018年3月11日 18時) (レス) id: d3f0b80636 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/futere/
作成日時：2018年3月10日 1時
