蜜恋 (ページ5)

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(黒) ﾒﾝﾍﾗｶﾉｼﾞｮページ5

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「勝利くん」

『……どうした？』

「ううん、なんでもない」

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電気をおとした部屋の中。
外からの明かりでかろうじて彼の顔が見られる距離。

彼の綺麗な顔に左手を添えて。
その身体中に広がる痣を優しくなでる。

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「ねえ、ちょーだい？」

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いいながらそっと唇に触れると、
彼の首元でカシャンと金属音がなる。

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『んん……っぁはぁ』

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その首にはめた首輪。

それに繋がるリードを引けば、
苦しそうに首輪をひっかく勝利くん。

そんなので取れるわけないのに。可愛い。

心の中でふつふつと湧き上がる加虐心。
そっと口を離してあげれば

乱れた呼吸。
酸素を求めて、口を開いて。
苦しそうに眉間に皺を寄せる彼。

ゾクゾクする。

その潤んだ瞳が、私を捕らえて。
もっともっとって欲しくなる。

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『まっ…て』

抵抗しようとする勝利くんのリードを引いて。
近づいてきた美しい顔。

はぁはぁと呼吸を乱したままの鼻をつまんで、そのまま口も塞いであげる。

キスを深くすればするほど、酸素が足りなくて、どんどん苦しそうに顔が歪んでいくから。

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『んーっ……んんっ』

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勝利くん、死んじゃうんじゃない？なんて。

その苦しそうな顔に、
身体のゾクゾクがとまらない。

勝利くんの綺麗な顔が、私からの痛みで歪む。
それがこんなにも気持ちいい、なんて。

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『はぁはぁ……はぁっ』

つまんでいた鼻を開放して。

それと同時に唇も離してあげれば、
過呼吸みたいになって、
黒く濡れた瞳を私に向ける勝利くん。

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「苦しい？」

そう聞けば、こくんこくんと頷くのに。

「私のこと、嫌い？」

そう言えば、激しく首を横に振るから。

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「そっか…私はね、勝利くんのこと大っ嫌い」

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首の痣に爪を立てながら、
にっこりとした笑顔をつくって。

耳元で囁けば、
あからさまに傷ついた顔を私に向けるから。

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『やだ……捨てないで』

「ふふ、どうだろうね？」

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私から与えられる痛みに、痛い痛いって彼は泣く。

その度に、心地いい感覚が身体を巡って。
ああ……これだからやめられない。

fin.