異世界転移した最強の地獄神〜捨てられたのでゴーイングマイウェイを貫きます〜

３３歩目 ページ33

地獄の街と地上の街に、ほとんど違いは無い。
いや、あるんだけど……地獄の街は江戸時代の日本の街に似ている。
それと、空が赤い。
その程度の違いだから、地獄に来た人間もあんまり驚く事はない。

｢ここが地獄？｣

｢そう。今回用があるのはここじゃないけどな。ここは地獄神になったら来よう。｣

本来地獄は生身の人間が来るとこじゃないし。

｢こっち。｣

空間の適当な所を裂いて、管理室への入り口を開く。

｢おじゃましまーす。｣



｢ここ、広すぎない！？｣

｢廊下１・８kmは普通だと思う。｣

｢｢それは普通じゃない。｣｣

突っ込まれた。
なーぜーだー！

｢でもあと１００mで着くよ。｣

｢良かった良かった。｣

２人の観察が非常に面白いです。

｢着いたぞ。中に……８人だから、多分全員いるな。勝手に入るぞー。｣

てゆーか、本来の部屋の持ち主は私だし。

｢マヤか。今回はどうした？｣

｢新眷族の紹介。それと異界の雫を取りに来た。じゃーテイハさんとカセンさんはしばらくそこで待ってて。｣

｢うん……分かった。｣

さすがに上位地獄神ズとそれと同格の異界神の中に放り出すのはまずいか？
我の部屋はここの隣なので、１０秒くらいで取って来るか。
壁をすり抜け、ベッドの横の段ボールを回収、空間倉庫にポイする。

｢よっと。｣

｢相変わらず早いねー。ここの隣とか妬ましいわー。｣

｢そんなに妬むことか？ああ、お前は'嫉妬'だったな｣

｢そうそう。ああ、我は嫉妬のレヴィアタンだ。｣

それを皮切りに、地獄神ズが自己紹介をした。

｢傲慢のルシファー。｣

｢暴食のベルゼブブだ。｣

｢色欲のアザゼルよ。｣

｢怠惰のベルフェゴールだー｣

｢貪欲のマモンです。｣

｢憤怒のサタンだ。｣

｢夢神のグロアだ。｣

｢さて、テイハさんとカセンさんも……ありゃ？｣

固まってるよ。
どうすりゃ良いの？

｢地上の生物をいきなり地獄に放り込んだらそうなるよ。｣

｢そうなの！？｣

知らなかった……

｢(マヤはこういうとこが抜けてんだよね。最強のはずなんだけど……)｣

｢(そうそう、常識を知らないんだよな。)｣

こら、聞こえてるぞー
私は立派な常識人だぞー

｢テ、テイハです……｣

｢カセンです、よろしくお願いします｣

｢テイハとカセンか。で、２人は何の神？｣

｢２人はまだ人間だが。｣

……オーイ、固まるなー

｢｢｢えぇぇぇぇぇぇ！？｣｣｣

めっちゃ驚かれた。
解せぬ。

３４歩目→←３２歩目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す