家×指輪×倦怠期【青】

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side‥you


『また‥‥。ねぇ、いい加減しつこい！』

宮舘「すみません。渡辺と同じグループの、宮舘といいます」

『へっ！？‥‥‥あ、失礼しました！』





翔太かと思って出たらメンバーさんだったとは‥

怒鳴りながら出てしまった‥‥





宮舘「こちらこそ突然すみません。翔太の事なんですが‥、出ていったと聞きまして」

『はい、引っ越しました』

宮舘「本当の話だったんですね」

『あの、私もしかして翔太から借りっぱなしのお金でもありました？私物は持ち出していないと思うんですけど‥、そういう取り立て系の電話ですか？』

宮舘「えっと‥、心配されているとか‥そういう風には考えられませんか？」





‥‥心配？





『いや、ないですね』





ないない、ある訳ない





『今まで話もロクに聞かない、ご飯作っても食べない、気にくわないと舌打ちする、引っ越しのカタログ出しっぱなしにしたり荷物少しずつ運び出しても気付かれなかったのに、ですよ？』

宮舘「昨日と一昨日、職場の前で待ってたそうです」

『あ、それ多分前の職場です。転勤したので』

宮舘「それ、翔太は‥」

『知らないですね。誤解しないで頂きたいんですけど、何度も言おうとしました。でもまともに取り合ってもらえないし、出退勤の時間が変わっても気付かれなかったので』

宮舘「もう一つ。携帯の番号を変えなかったのは翔太のため‥という訳では？」

『違います。仕事で使うので変更は面倒なんですよ。一応翔太の番号はブロックしてたんですけど、他の人のスマホ借りて電話してくるとは思わなくて驚きました』

宮舘「かなり必死で、メンバーのスマホ手当たり次第に借りている状況です」

『これ以上迷惑かけるわけにもいかないので、しばらく登録していない番号以外からは出ない事にします。手紙の通り、ご多幸をお祈りしますと伝えてください』





ブチッ！

ツー‥、ツー‥‥



言いたい事だけ言って切っちゃった

この番号も、もうブロックだ





『まさか翔太が電話してくるとは‥、本当にビックリ。でもそっか、翔太の思い出に残れたんだ』





自分で出てきておいて何だけど、いなくなった事を気にもされてなかったら辛すぎる

翔太は私を、ちゃんと彼女と思ってくれてたんだね



よし
今日はちょっと良いお酒買って、飲んで、泣いちゃおう



これでもうきっと、翔太との縁は完全に切れたんだから

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