もう一つの“S”な彼女⑩ (ページ30)

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※回想を渡辺目線でお送りします

まだAは入所して間もない頃で、アンチも多かった

俺も一緒にステージに上がると、Aには厳しい目線が向けられていた

でも、歌い始めると次第に空気が変わったんだ

なべすず「『♪ー♪♪ー、♪ー』」

好きが嫌いに変わるのは一瞬、特にこの世界ではそれがモロに出る

でも嫌いが好きに変わるのは中々難しい

なのにAは4分弱の曲でそれをやってのけたんだ

渡辺「お疲れ、初の少クラスどうだった？」

『しょっ‥ぴー‥‥』

声をかけた先のAは、ちょっと震えてた

『今日の歌で、私の事を気にくわない奴から、ちょっとは良い歌を歌うけど気にくわない奴‥くらいに思ってもらえれば上々かな』

渡辺「きっとAを好きになってくれた人いたよ。俺一番近くで見てたもん」

最初キツい目でAを見てたのに、最後はAに向かって拍手してる人もいたんだよ

俺もいるんだけど‥って悔しくなるべきなはずなのに、そんな事思えないくらい、自分の事みたいに俺も嬉しかった

『そっかぁ、だったら嬉しいな』

そう言ってAはちょっとだけ泣いた

たくさん不安になって、それでも気丈に振る舞ってステージに上がったんだろうな

その時、俺はAを守りたい、守ろうって思ったんだよ

まぁ、今では俺が守られてる事も多々あるんだけど(笑)

佐久間「翔太、起きてるー？」

渡辺「ヤベッ、どっか行ってたわ」

『え、異次元？さっくんの弟に会った？？」

佐久間「俺の弟、異次元枠じゃないから(笑)」

岩本「翔太、なんか嬉しそうな顔してる。良い事でも思い出した？」

渡辺「ん‥、そんなとこ」

目黒「Aとの思い出に浸ってたんだ？」

渡辺「バッ‥、違ぇーし！」

『え、そうなの？』

渡辺「だから違うって！あーもう、終わり終わり！！」

岩本「はは！翔太が拗ねたので、この辺で終わりまーす」

ｽﾉ4すず「『以上、Snow Manと鈴宮 Aでしたー』」