もう一つの“S”な彼女⑩ (ページ18)

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ーRyohei.Aーページ18

ｽﾀｯﾌ「では、少々お待ちくださいね」

あべすず「『はーい』」

スタッフが出てしばらくすると、バチッと音がして電気が消えた

『ひゃっ！？』

阿部「うぉえい！ビックリしたぁー！」

『えぇ！？こっちにもビックリしたよ！阿部ちゃん、キレ芸出てるから！』

阿部「あは、ゴメンゴメン」

阿部は停電に驚いているようなので、彼が平静を取り戻す前にと思い、Aはすかさず紐を引いてマネキンの手を阿部の膝に乗せる

阿部「うぇぇ、何！？ねぇ何！？」

『阿部ちゃん大丈夫！？』

阿部「A、今俺の膝触ってないよね！？」

『触ってないけど‥、どしたの？』

阿部「嘘でしょ‥、じゃあこれ何！？‥手？誰の手！？」

『手？』

阿部「俺の膝に手乗ってんの、この部屋俺達以外誰もいなかったはずなのに‥」

『それ‥、本当に手なの？タオル落ちただけとかさ、そういうのない？』

さも怖がっているかのような口調で言ってみる

もしかしたら勘違いかもと思った阿部が、恐る恐る膝の上のマネキンの手に触れた

阿部「‥‥うん、手。え、でも冷たいし‥‥待って、傷っぽいのがある、しかも何かヌルッてした‥」

『嘘でしょ‥。じゃあその手は‥まさか‥‥、ここって本当に‥』

阿部「‥‥えっ？」

『はっ‥！ううん、ゴメンなんでもないの！』

阿部「そこまで言ったならもう言ってよ！」

『そう‥だよね、あの‥‥スタッフさんに聞いたことあって‥。この部屋ってね‥‥』

阿部「う‥うん」

『テッテレー！！ドッキリでよく使われる部屋なんです！』

電気が点いてAが良い笑顔でプラカードを持っていて、阿部はすぐさま全てを察した

阿部「くそ、やられた！」

『いや～、阿部ちゃんお化け屋敷大丈夫なわりに結構騒いでたね』

阿部「これはお化け屋敷と違いすぎるよ、マジで怖かったんだから。うわっ、この手リアルすぎだし」

『美術さんが張り切って作ってくれたんだもん』

阿部「いつかAが楽屋で寝てる時に顔の上に置いてやる。それで、その動画を編集なしのノータイムでISLAND TVにアップしてやる」

『ひぃ‥、恐ろしい呪いを吐いておられる‥((( ；ﾟДﾟ)))』

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『阿部ちゃんの驚き方が思った以上に男でビックリしました。てっきり“やだぁ”って言うか、全く動じないかだと思ってたので』

『いつか阿部ちゃんに仕返しされる日が来るんでしょうか‥、仕返しどころか倍返しな予感しかしません‥(泣)』