もう一つの“S”な彼女⑩ (ページ16)

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ーRyota.Mーページ16

『わっ、停電！？』

宮舘「A、動かないで」

スタッフが退出してすぐに明かりが消え、Aが驚いて立ち上がる(フリをする)と、宮舘はそれを制した

宮舘「どこかにぶつけちゃうといけないから、ね？」

『うん‥』

宮舘「大丈夫、すぐ復旧するよ」

宮舘は手探りでAを探して頭をポンポンとしてくれる

『そうだね、ありがとう』

宮舘「いえいえ、Aが安心するのが一番だから」

少し暗闇に目が慣れてきたので、Aは紐を引いてマネキンの手を宮舘の膝の上に乗せる

宮舘「‥ん？‥‥‥っ！？」

『だて様？』

宮舘「ううん、何でもない」

違和感に気付いた宮舘がマネキンの手に触れると、一瞬彼の身体がビクッと跳ねた

しかし、すぐに平静を装った

Aは第２段階として紐を少しずつ引っ張って動きを出してみる

宮舘「うーん‥‥」

『大丈夫？』

宮舘「言いにくいんだけどね、何かが俺の膝の上を這ってるんだよね。何だろう‥」

『いやそんな冷静に言う！？』

宮舘「まぁ何度か幽霊見てるし」

『えぇー‥‥』

宮舘「あー、何か手っぽいな」

『だ‥誰かいる？』

宮舘「俺達しかいなかったから違うね」

『だて様、本当に怖くないの？』

宮舘「まぁ、気味が悪いなって程度には思ってるよ。それにAがそこまで動じてないって事は、これドッキリでしょ？」

『バレてたかー』

これ以上惚けても仕方がないので、スタッフに明かりを点けてもらう

宮舘「うぉっ！！何だこのリアルな手！」

『今驚く！？』

宮舘「てっきりただのマネキンの手かと思ってたから、こんなゾンビみたいな手とは思わず‥」

『これが膝の上にずっとあったんだよ？』

宮舘「えー、怖っ。暗い時より明るいところで見る方が断然怖いわ」

『ねー、だて様難しいよ！』

宮舘「俺は一筋縄じゃいかない男だから」

『ドヤ顔で言ってるけど、多分何か違うからね(笑)』

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『だて様はさすがです、停電しても冷静で動じませんでした』

『しかも最初マネキンの手が乗っても私に心配させないよう黙っててくれるという‥。素晴らしい気遣いです』

『で、最後にゾンビのような手に今日イチでビックリしちゃうのが可愛かったですね！一瞬ロイヤルが崩れたのが良きです』