もう一つの“S”な彼女⑩ (ページ14)

今日:10 hit、昨日:7 hit、合計:53,547 hit

ーHikaru.Iーページ14

岩本「A、狭くない？」

『大丈夫～』

2人掛けのソファーとはいえ体格大きめの岩本が隣に座ると、A的に若干狭くはある

だがそれはドッキリの際に反応が見えやすいので好都合だ

スタッフが退出して2人でアンケートを書いていると、バチッという音ともに電気が消える

岩本「停電？A、スマホ持ってる？」

『預けてきちゃった。ひーくんは？』

岩本「俺も。おとなしくしとくか」

今のところ岩本は平静を保っているようなので、Aはこっそり紐を引いてマネキンの手を岩本の身体に触れさせる

岩本「ん？」

何かが触れたのを感じ取ったのか、岩本の手がマネキンの手を掴んだ

岩本「‥‥‥え？‥えぇ、何！？」

『ひーくん！？』

岩本「ヤダヤダ！俺は何掴んでんの！？」

精巧に造られた手の感触は人の手そのもの、なのに温もりはない

その上怪我のようなデコボコもあるはずなので、その未知の感覚に岩本はパニックのようだ

岩本「手‥？手だよね！？‥Aの手！？」

『私の手、ここにあるけど？』

岩本「ヤダァー！！」

Aの両手が岩本の膝に触れた事で、謎の手の正体がAでない事も判明してしまった

岩本「A、取ってー！！」

『自分で掴んでるんでしょ！？離しなよ！』

岩本「無理、逆に力入って離せないの！」

『待って潰れる！私潰れちゃう！！ぐえっ‥！』

岩本がAにしがみついたので、Aはソファーの端に追いやられて巨体に潰される

若干Aの命の危険を感じてか、少し予定より早めに明かりが点いた

岩本「ギャー！！手、手ぇ！？」

『おぉ‥‥』

岩本「しかも血だらけだし怖いぃ、キャー！‥‥って、‥え、紐付いてる‥」

紐の先を見ると、端っこはAの手の中にあった

岩本「まさか‥‥」

『テッテレー、ドッキリ大成功！』

岩本「はぁ！？」

『ひーくんビビりじゃなくなったのかと思ったけど、まだまだ健在で何よりです』

岩本「ねぇ、もーヤダ！ドッキリ嫌いー！！」

『まぁまぁ、可愛かったよ』

岩本「もうホント嬉しくないから！」

ーーーーーーーーーーーーーーー

『えー、ひーくんは女子のような怖がり方でしたね』

『一瞬頼もしい姿も見れたのですが、私的には幼女のように怖がるひーくんでいて欲しかったので、今回のドッキリは大成功です』

『あ、でも潰されかけた時は、マジで自業自得で死ぬのかも‥って思いました(笑)』

『それでもめげずに次いきます！！』