48 カレの額 ページ48
涙のせいで
乱れた呼吸が
言葉の続きを遮った。
「....どうしました？」
優しい声に
見つめる彼の視線に
我に返る。
「っ...ごめんなさいっ。何やってんだろ、私っ。すみません...。」
涙を拭こうと
バッグを漁り出したとき
彼の指が
すっと近づいて
零れた涙を拭って離れていった。
＿＿＿行かないで
そんな言葉が一瞬
耳をかすめたような気がした。
「........？」
「探してる野菜って、なんです？」
再びカレの声が耳に届いて
慌ててメモを取り出した。
「....これ、なんですけど。」
私が指差すメモを覗き込む
彼の横顔を
思わず見つめた。
「これね....。」
そう言って私を見た彼と
視線が交わる。
「.........。」
「櫻井さん？」
「っ、...はい。」
近づいたカレの顔に
反射的に目を閉じると
首に置かれた手
かきあげられる前髪
額に触れる肌の感触
「っ...。」
「...熱は...ないみたいですけど。」
言葉に目を開けると
近すぎる距離に
視線を落とした以外は
身動きが取れなくなる。
息さえも潜めた。
指が前髪を整えたのがわかって
吸ったままだった息を小さく吐いた。
視線を上げると
「泣き出したりぼぉっとしたり...具合でも悪いのかと思って。」
「すみません....。」
「大丈夫です？」
「.....はい。」
「そうですか。」と見せた笑顔に
今更頬の熱を感じた。
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ちび(プロフ) - 大宮萌和*さん» ご訪問ありがとうございます！ドキドキしていただけて何より。ご期待に添えるかどうかわかりませんがまた覗いてやってください！ (2013年10月18日 17時) (
レス) id: 8af04b9ab4 (このIDを非表示/違反報告)
大宮萌和*(プロフ) - うわっ// こういうの大好きです！笑 めっちゃドキドキしますね(≧o≦*) どういう関係になっていくのか、続き楽しみにしてますっ♪ (2013年10月16日 18時) (レス) id: 3123aa577b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちび
| 作成日時：2013年10月9日 16時
