ナイモノネダリ＜M.Hokuto＞ (ページ9)

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北斗『いつぐらいに会う？』

『来週末くらいでどう？』

北斗『了解。じゃ、日曜日はどう？』

『大丈夫だよ～』

北斗『じゃあ、日曜日に。』

『了解です！』

Aside

「……大我、話があるんだけど。」

私は、ソファーの上で寝転がっている大我に声をかける。

今日は大我が私の家に遊びに来ていた。

大我は、私の声を聴くとバッと飛び上がる。

大我「な、なに！？……え、別れ話？」

「違うって！！大我考え過ぎだよｗｗ」

私は笑って、大我の傍に来る。

大我の隣に腰掛けると、大我の方へ向き直る。

「…来週の日曜日、ちょっと出かけてくるね。」

大我「…それは、誰と？」

大我の言葉に、私は一旦深呼吸をする。

「……高校生の時に、付き合っていた人。まあ、いわゆる元カレ。」

「その人に、会いに行くの。」

「…行っても、いいかな？」

私の言葉に、大我は驚いたように目をまん丸くした。

そして、悲しそうな顔で言う。

大我「……より、戻しに行くの？」

「え？行かないよ！！…ただ、会って話をするだけ。…私たち、お互いにひどいことしちゃったからさ。謝りたいんだ。」

大我「……ホント？」

「本当。だって、私が付き合っているのは大我だし。私には、もう大我しか見えてないもん。」

私がはっきりそう言うと、大我はしばらく考え込み難しい顔をする。

大我「……わかった。いいよ。行ってきて。」

「…いいの？」

大我「うん。いいよ。……でも、これだけは約束して。必ず、俺が迎えに行くから。俺のところに戻ってきて。」

「…うん。わかった。ありがとう、大我。」

私は微笑んで言うと、大我はぎゅっと抱きついてきた。

「どうしたの大我」

大我「……ん－ん。なんでもない。たまには俺が甘えてもいいでしょ？」

「…うん。毎日でもいいよ。」

大我「気分だったらね」

大我はそういうと、私の肩に顔をうずめた。

大我は、不安なのかもしれない。

もしかしたら、私が北斗と一緒にどこか消えちゃうかもしれない。

自分の前からいなくなっちゃうかもしれない。

そう、考えているのかもしれない。

私は無言で、優しく大我の頭を撫でた。