間幕：拝啓はるかさん１ ページ9
この家はこんなに静かだっただろうか？夜だし眠ればどの家も暗く静かにはなる、けどそうじゃないこんなに温もりのない家だっただろうか、みちるに2階の突き当たりだと言われ玄関横の階段を上がり少し長い廊下の突き当たりに以前燐火が作ったと言っていたドアプレートがぶら下がっていた、ただ部屋に入るだけなのに妙な緊張感だなと我ながら笑いたくなる、返事がないのはわかっているが礼儀としてノックは2回
前に入った燐火の部屋より広くまず目に入るのは天蓋付きの大きなベッド、ドアの近くの棚に置かれた金魚鉢、点けたままのテーブルライト、それの近くで何かが光るそれはお揃いの羽のチャームその横に置かれた封筒に目がいき、宛名を見て思わず手に取り不躾とは思いながらもそれを読んだ、その宛名が僕だったからだ
ーはるかさんへー
いつも姉がお世話になってます。
なんてこれじゃいつもと同じですね、改めて手紙でなんて何だか変な感じがします。
はるかさんと会ってからいろんな事がありました、リサイタル、公園のコンテスト、モトクロス、お祭りでもらった金魚の名前は夕焼け色だからユウにしました、お茶があんなに賑やかとは知らなかったですしパーティーで一緒に踊れた時は嬉しかったです。
いつもこちらがもらってばかりなので、今度何かお返しができればと思います。
ねぇはるかさん、私があなたと話す度にドキドキしてたって言ったら困らせてしまいますか？この気持ちが何なのかまだちゃんとはわからないけれど、もし答えがわかったら一緒に答え合わせをしてもらえますか？
PS.来年の夏祭りが今から楽しみです
ー聖火よりー
少し丸みのある文字をなぞる、何回か書き直した跡、君はどれだけの時間僕を思ってくれていたんだろうか
「……困ったな」
ため息をひとつ吐きながらベッドへ歩いて行く
ー『……だったら迷惑です？』ー
迷惑なもんか、モータースポーツに出会った時でさえこんな気持ちになった事はなかった
天蓋のカーテンを避けベッドに腰掛けると思ったより体が沈んだ、手を伸ばして目元を隠す前髪をはらう
「この気持ちが何なのか僕にもわからないんだ、僕自身こんな事初めてで、だから一緒に答えを探してくれないかな、それでもし答えがわかったら答え合せをしよう、その時君が僕と同じ気持ちだったら、どうしようもないくらい嬉しいな」
そっと指で頬を撫でる、自分がこんなに臆病だなんて知らなかったなと少し自傷気味に笑う
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Vacancy(プロフ) - みりんさん» いつもありがとうございます！ここからはかなりの難産ですが頑張ります (2021年4月17日 16時) (
レス) id: e3f2568b7e (このIDを非表示/違反報告)
Vacancy(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、外したつもりになっておりました、こちらの確認不足です、現在はサイトにより外されています。今後気をつけていきたいと思います。お知らせ下さりありがとうございます！ (2021年4月17日 16時) (レス) id: e3f2568b7e (このIDを非表示/違反報告)
みりん - もう3まできたのですね！いつも楽しみにしています！ (2021年4月17日 14時) (レス) id: f0c9643fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vacancy | 作成日時：2021年4月17日 2時
