うさぎのダンスはワルツに乗って１ ページ37
招待されたパーティーに来ていく衣装を合わせに燐火の部屋に来て居た､みちるは聖火ちゃんの部屋で「いいって言うまで入って来ないでね」と立てこもっている､一応僕も女なんだけど､まぁ楽しんでいるならいいかと思い燐火のシャツをどれにしようかと本人にあてながら考えていると
『はるか､聖火のこと好き？』
と聞かれ､いきなりのことすぎて一瞬変な声が出かけた。
「どうしたんだよ藪から棒に」
『好き？』
「好きだよ､可愛いし」
瞬き一つ､顔の横に両腕､背中は壁に､目の前には鼻がぶつかる距離に燐火の顔があった､その目は普段とは違う逃げることを許さない､自由なはずの手も動かない
『本気で聞いてんの』
これは燐火の本当の"ケジメ"だ､逃げないでいつか手を離す未来を受け入れる､鳥かごを開ける覚悟…わかったお前がその決断をするのなら僕も逃げない､その目を逸らさない。
「本気だって言ったら？」
『どれくらい？』
「お前に嫉妬するくらい」
そうだ､いつだって僕はお前に嫉妬してたんだ､いつも隣にいるお前に
『ふ〜ん､そっかぁ』
「なんだよ自分から聞いといて」
離れるとまたいつもの燐火に戻っていた､ただ少し安心したような寂しいようなそんな顔をしていた。
『あのね､僕の好きってたくさんあってね』
「ん？ああ」
僕の持っていたシャツに腕を通しながら少しのんびりした口調で喋り出した
『はるかの事も聖火の事も月野ちゃん達の事も好きでね､でもそのどれも違う好きなんだ､それは友達とか家族とか可愛いとかどこにでもある名前の好きなんだ』
開いたままのシャツの胸に手を当てて目を閉じる
『でもその中で1つだけ､みちるだけが唯一名前のない好きなんだ』
「名前のない好き？」
『恋なんて綺麗なものじゃなくて愛というほど優しいものじゃない､もっと自分勝手で､ただずっとそばで笑っていてくれたらいいなって､僕の宝物なんだ､決して色褪せない宝石箱､キラキラで眩しくて､大好きなんだ』
開いた瞳が優しく細められる､それは見ているこっちが恥ずかしくなるほど､甘い甘い色をしていた。それと同じ色を僕は知っていたエメラルドのようなその色を
「(似た者同士だな)そういうのは本人に言ってやるんだな」
喜ぶぞと言ってやればわかったと素直に頷いた
『でもよかった』
「何が？」
『死んでもいいとか言ったら殴ってた』
「物騒だな」
それから笑いながら2人でどの組み合わせがいいかを話した
「男装でいいんだよな？」
『もち！』
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Vacancy(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！この話はずっと昔から書きたいと思っていたものなので楽しんでいただけてとても嬉しいです、構成が難しい話もありますが完結できるよう頑張ります！ (2021年4月13日 20時) (
レス) id: e3f2568b7e (このIDを非表示/違反報告)
みりん - ハイペースの更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています！ (2021年4月13日 19時) (レス) id: f0c9643fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vacancy | 作成日時：2021年4月4日 18時
