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どこまでも広がる空を見ていた、青く高く決して届かない空を
こんな夢を見るなんて、意外と未練がましいのかもしれない
『天王はるかさん』
「誰だ？」
振り返ればそこには以前シルフと名乗った少女がいた
『シルフと申します。夢の中でこんばんはです』
「僕に何の用かな？」
なぜ夢の中にまで、僕の正体がバレたのか？
『そんなに警戒しなくても何もしないです。ある人に頼まれたですよ、夢を叶えてって』
「夢？」
そういうと彼女は僕の手を引き走りながら言った
『風になるですよ！』
足が地面から離れ体を風が包む、空へ昇っていくあの日見た、風の道だ。
誰よりも早く、高く、雲さえも突き抜けて、何者にも縛られず、どこまでもー−
『見てみるですよ』
促されるように足元を見るともうずいぶん遠くなってしまった街の明かりが小さな宇宙のようだった。
『あの明かり１つ１つに命があって思いがある、笑って泣いて怒ってまた笑って、そんな当たり前が私は大好きです、この世界に生きるあなたも私は大好き』
その笑顔はとても優しくて眩しくて、まるであの子のようだと感じてしまった
『あなたは？あなたが大切なものは何？大好きなものは何？』
僕はー−ｰ
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朝日が差す。まぶたが上がる。
「……夢」
体を起こすと視界の端で何かが光る それは銀色の小さな羽
ー『あなたが大切なものは何？』ー
真っ先に思い浮かんだのは空色のあの子、どこまでも真っ直ぐで純粋で僕なんかが触れてはいけない子、それでも
ー『はるかさん』ー
そう名前を呼ばれる度に、君が特別になっていったんだ。思いを告げることは叶わないだろう、だがせめて想うことを許してほしい。そう願いその羽に唇を寄せた。
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Vacancy(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！この話はずっと昔から書きたいと思っていたものなので楽しんでいただけてとても嬉しいです、構成が難しい話もありますが完結できるよう頑張ります！ (2021年4月13日 20時) (
レス) id: e3f2568b7e (このIDを非表示/違反報告)
みりん - ハイペースの更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています！ (2021年4月13日 19時) (レス) id: f0c9643fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vacancy | 作成日時：2021年4月4日 18時
