【名探偵コナン】宮野志保のmonologue

２.聞こえてしまう ページ3

地下室について、パソコンの前に座っても、
なんだか仕事をする気になれなかった私は、椅子に座ったまま、机に突っ伏す。
工藤君のことを気にし始めた…か。
それは、ごく自然で、当たり前のことだと思う。
でも…なんなのだろう、この気持ち。
モヤモヤする。
胸がほんの少しズキズキする。
なんで…私…？
もう一度、私の頭の中で、博士の言葉が再生される。
気にし始めた…
……
ああ、そういうこと。
私には分かった。私のこの気持ちの理由。
「気にし始めた」が「心配し始めた」より、
「好きになり始めていた」に聞こえたからだ。
でも…私…
彼のこと…好きなのか、わからないじゃない。
彼のことは「好き」だけど、
相棒として、なのか…
恋愛感情として、なのか…
それが、わからない。
彼に話しかけられても、私は、全然うれしい、とか、恥ずかしい、とか思わない。
なのに、蘭さんやほかの人が彼のことを「好き」って言うと、胸が痛んでしまう。
だから、わからないの。
でも。
どちらだとしても…
一つだけ、確かなことがある。
『彼にだけは、嫌われたくない』
っていうこと。
たった、それだけ……

私は、そうこうしているうちに、その日はそこで寝てしまった。

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