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13.死んで、生まれ変わって、また生きて(番外編の番外編) ページ14

コツコツコツ…
足音が無残に響く、駅の改札口。
私はせっせと足を急ぐ。
働き始めてから2年目。
ちらりとなびく白衣に少しばかり視線が飛んでくるのも慣れた。
コツコツコツ…
「………!」
不意に、体が妙に騒いだ。
視線…誰かの、強い視線…
並の人間のじゃなくて、もっと強い…
でも、それはすぐになくなって。
私はその視線の主を探すことはできなかった。
「………」
何なの、あの感じ…
気持ち悪い。…怖い。
一体、なんだったの…

その日はあっという間に過ぎて。
辺りが暗くなった6時頃。
私は研究所から帰る。
朝方よりは人が少なくなっていた。
「………っ!」
また感じた。
あの、視線…
…よし
、と私は決心する。
いつもは通らない路地に入って、まがり角を曲がってから、すぐにそこに控える。
こつこつこつ。
…やっぱり。誰かに付け回されていたのね。
こつこつ…こつ。
その足音は突然止まり、また遠ざかっていく。
…逃げた?
足音がしなくなってから、私はゆっくりと辺りを見回す。
「………」
よし。
と、足を踏み出す。
と。
後ろに気配がした。
「…!?」
体を抱かれ、手首と口を素早くふさがれる。
「……っう…!!」
「…静かに」
少年の声。…私より一つ下くらいの少年の声がした。
「………」
「私は探偵です。依頼され、あなたを尾行していました。」
尾行…!?
「まさか、こんなことをするとは思いませんでしたが…」
丁寧で、艶やかな声。
力も意外に強くて、私は抵抗することができない。
「…尾行は、本日で終了にします。それと…」
…何?
「あなたには、素質がある。…スカウトをしたいんです。」
…スカウト?
「私の事務所に来て、働いていただけませんか。」
突然、私は解放される。
私はゆっくりと振り返る。
そこにいたのは、有名な探偵の、藤井一真。
蒼いきれいな瞳が、私を見ていた。


「…星宮美保様?」

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あお - 映画館で流れて耐えられる自信がない。なんという力、、、 (2020年4月8日 13時) (レス) id: c121f0415a (このIDを非表示/違反報告)
あお - よんてんはちぃ!!! (2020年4月3日 9時) (レス) id: c121f0415a (このIDを非表示/違反報告)
あお - 神様、仏様、も?えっ???いや好きなんだが (2020年4月3日 9時) (レス) id: c121f0415a (このIDを非表示/違反報告)
あお - 誰か教えて。。。 (2020年4月3日 9時) (レス) id: c121f0415a (このIDを非表示/違反報告)
あお - pvみた。確かにコナンと赤井さんの曲だけど、あれって鶏と蛇と豚の映像はいってるよね?え?なんで? (2020年4月3日 9時) (レス) id: c121f0415a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:仍並 蒼(よなみ あお) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yonamiao/  
作成日時:2018年2月12日 13時

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