【名探偵コナン】宮野志保のmonologue

10.信じてる ページ11

この頃…いや、ずっと前から、思っていたことがある。
工藤君。どうしてあなたは私に優しくしてくれるの？
私は、犯罪者なのよ？
人を、殺したのよ?何人も…
どうして？工藤君。
けど、そんなことを聞いたら、彼は怒るかもしれない。
「いつまでそんな事、気にしてんだよ」って。
過去を悔やんでも、何も変わらない。
そうやって、自分の事を下げたって、何かいい事があるのか、って。
それに、俺にも、罪がある。
お前の姉…宮野明美を救えなかったという、罪がな、って言うかもしれない。
じゃあ、どうして私のことを信じてくれるの？
私は、ずっと嘘ついてばっかり。
みんなにも、あなたにも、私自身にも。
嘘ついてばかりなのに。
自分の姉を思って流したナミダを、俺は信じる。
お前の心の奥底を、信じてる。
そう言って、微笑んでくれるかもしれない。

私は、おねぇちゃんしか信じられなかった。
けど、今は、みんなは信じてくれている。私のことを。
だから、私もみんなを信じる。
一点の曇りもなく、信じてる。





……私はみんなを、信じてる。

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