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貴方side
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キィ―…
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扉の向こうに出れば
夏の冷たい風が吹いていた。
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A「―…授業、初めてサボったな。」
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私はあのあと、
「具合が悪いから保健室に行く」という嘘をついて屋上へやってきた。
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本当は図書室に行こうかな、って思ったけど
もしかしたら柚樹が戻ってるかもしれないと思ってここに来た。
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ここも、図書室とは違う涼しさがあって好き。
辛いことも全部―…此処にいるときは楽にさせてくれる。
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A「…私…馬鹿だね。」
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本当は、
私が告白しなきゃよかった訳で、
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告白しなければ、
今の関係は崩れることはなかった。
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だから全部自業自得な訳で―…
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A「泣いたって意味ないのに…、」
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ぼろぼろ涙をこぼしたって、戻ることはない。
一度おかしてしまった誤ちは―…取り戻せない。
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"助けて"って叫んだって…助けてくれる者はいない。
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A「…っ…私…どうすればいいの…っ。」
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教室に戻ったって居場所はない、
家に帰ったって誰もいない、
柚樹の家に帰っても…そこにも居場所はない。
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私は"ココ"で顔を伏せることしかできない。
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A「―…う…っ…やだ…私なんて…っ…私なんて…!」
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"誰も私を求める人がいない"
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そんなの分かりきってることなのに
改めて自覚すると胸が苦しくて―…。
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このまま消えてしまいそうで。
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「A―…」
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幻聴まで聞こえてきて―…
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A「…ばかだ…。」
「―…A!」
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その瞬間、
大きな体に私の体が包まれて、
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魁斗「A―…。」
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耳元で私の名前が呼ばれて、
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この声は"あの人"しかいなくて、
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A「魁斗―…?」
魁斗「A…どっかに行くなよ…。」
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こんな私でも"行くな"って必要としてくれてる人がいる。
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それが例えあなただけでも、
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A「魁斗…っ…!」
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一人でもいてくれたらそれは…奇跡に近いんじゃないか。
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ぽみ - 素敵すぎます泣 (1月4日 0時) (レス) @page32 id: cb82849890 (このIDを非表示/違反報告)
1:04−あずくん。(プロフ) - 魁斗くん推しです!可愛くて優しくて一途なとことか本当に大好きです>< あと、主人公と幼馴染みくんの絡みも、親友の妃里ちゃんも好きで好きでたまらないです。この作品大好きです!! (2021年8月6日 17時) (レス) id: 5224cda9d2 (このIDを非表示/違反報告)
無 - ああすっごいドキドキしました泣 (2021年2月23日 0時) (レス) id: cbb5fa2672 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - とっても面白かったです!バスケが得意とか、好きな人に似ててもの凄くキュンキュンしました! (2020年2月24日 14時) (レス) id: 08309c157f (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - たまんねぇ (2020年2月24日 4時) (レス) id: 4c794107a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*琳檎* | 作成日時:2012年9月2日 13時