だらしない妻と神経質な夫 9

ぬるい夜のお話 ページ9

お腹もかなり重たくて苦しい時期に入ってて夜もなかなか寝付けない日々が続いてた。それに全て付き合ってお話してくれるカンタくんが優しすぎる...

今日もお腹の保湿をしてくれて後ろから抱き締めてくれてる


カ｢ふふ、動いてる｣

『レフトちゃんだよね〜』

カ｢ママ力持ちで良かったね〜｣

『んふふ、』


私を包む逞しい身体は私の事絶対に守ってくれそうで、人の体温が落ち着くと言っていた同級生の奴らに｢なんだそれ｣って言ってた昔の自分に教えてあげたい。″好きな″人の体温は落ち着くんだよって。


『ね、そっち向きたい』

カ｢ん、ゆっくりね？｣


1人で寝返りすら出来ない私をゆっくり優しく支えてくれて目の前にはカンタくんの顔がある。枕に押されてむにっとなった頬が可愛い。


『寛太いい匂い...』

カ｢俺はAの匂いの方が好き｣

『私が好きでしょ、言い直して』

カ｢へへ、Aが好き｣


胸焼けしそうなほど甘ったるい会話。こんなこと恥ずかしげもなく良くやれるよね私。


『お名前なんにする？』

カ｢んーやっぱり今回もお顔みてから｣

『とりあえずらーくんとれーちゃんだね』

カ｢...あのさ｣

『4分の1じゃなくて4倍だよ？』


彼は私の発言に目を見開いてる。つまり私の読みは当たってた。


『これでも寛太のお嫁さんだから、考えてることくらい分かる』

カ｢...絶対4倍ね？｣

『寛太も4倍ね？』

カ｢うん、約束｣


こんなこと気にしちゃう成人男性ほんとに可愛い。照れ隠しに私の髪の毛嗅いじゃうのも可愛い。


『寛太に愛されてて嬉しい。大好き。』

カ｢俺も大好き｣


ぎゅっと抱き締めると私のお腹がカンタくんのお腹にぴったりくっつく。


『今ならカンタくん自分のお腹で胎動分かるんじゃない？』

カ｢起きてますかぁ？｣


トントンと指で叩くともにょんと大きくお返事が帰ってくる。ぱちぱち2回瞬きしたカンタくんはどうやら分かったらしい。嬉しそうに私を抱き締めてくれた。


カ｢俺も分かった...｣

『へへ、胎動丸々教えてあげるのは無理だけど何となくなら分かる？』

カ｢お腹がもにょん！ってなったの。｣

『1番初めの胎動はね〜お腹が鳴った感覚に似てた。下腹部でガスがぽこぽこ移動してる感じ。』

カ｢出産はどんな痛さだった？｣

『女性の子宮が男性のどの部分に当たるか分かんないからあれだけど、便意催してるみたいな笑』

カ｢ねーえーきちゃない笑｣

『これがリアルなんだもん笑』


こんな緩い夜が好きだ

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