だらしない妻と神経質な夫 9

＊ ページ42

『むりぃ...生きていけない...』

ふ｢前髪短くなったの？｣

P｢切りそろえたら眉毛くらいに...｣

ふ｢ちょっとだけ見ていい？｣

『うん...』

ふ｢キイチくんとカンタさんそっぽ向いてて下さい！｣

キ｢分かりました｣


ふぅちゃんが目の前に回ってきてそっと手を離すと、花が咲いたようにふわりと笑った。


ふ｢可愛い！すっごい似合うじゃん！なんでこれダメなの？似合ってるよ？｣

『...ほんと？』

ふ｢ほんと！チーちゃん可愛い！｣

P｢ほら！ふぅちゃんも言ってる！｣

カ｢ねーお願い...俺も見たい...｣

『...笑わない？』

カ｢笑うわけないでしょ？｣


ゆっくり振り返ると律儀に後ろ向いて目を覆ってくれてる2人が居る。誠実。


ト｢ごめんなぁ？でも似合ってるぞ？｣

カ｢キイチと俺も見ていい？｣

『...いいよ』


くるっと振り返った2人はポカンと私を見つめてる。あーやだ死にたい...

咄嗟に隠そうとしたのに、そのスピードを上回る勢いでカンタくんが突進してきた。


カ｢ねぇ！？無理！可愛い！！見せたくない！！！｣


ぎゅうっと私に絡み付いて私の前髪をひょこひょこと撫でる。え？なに？ついていけてない...


カ｢はぁ...どうしよ...可愛い...めっちゃ可愛い...やだ、独り占めしたい...｣

『あ、の...失敗したんだけど...』

カ｢どこが！？ずっとこれがいい！｣

『やだ恥ずかしい...』

カ｢あー可愛い...キイチあんま映さないで...これ俺の...｣


気を使ってくれてるのかと思ってたけどこの様子を見る限りほんとに気に入ってくれたみたい。今もずっと前髪を撫でて愛おしそうに見つめてくれてる。


『...ほんとに変じゃない？』

カ｢変なわけない！超似合ってる！｣

『じゃあ...富永さん不起訴』

ト｢よっし...カンタありがとう...｣

カ｢むしろトミー大声出したのナイス！！あー可愛い...｣


凄く幼く見える前髪の切りすぎはどうやらツボだったらしい。こんなに可愛いって言ってくれるなら切りすぎて良かったのかも...？


カ｢...ね、家から出ないでね？｣

『何でかな？すっごく怖い顔してるけども...』

カ｢そんな可愛いのに家出るの？なんの為に？怒るよ？｣

『あー...なんか...やばいスイッチ入れたね...？』

カ｢いや、寝室から出ないで？｣

『前髪切りすぎたら軟 禁されることが決まりました』

ト｢...ごめん｣

＿

▽チーおん眉めっかわ...

▽カンタが終始デレデレな動画じゃん笑

▽軟 禁はやばすぎ...

▽精神年齢低下チー 4:53

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