だらしない妻と神経質な夫 9

キャバ ﾘｸ ページ12

※なっちゃん妊娠前

『初めまして〜くるみですぅ』


ギラギラのメイクにギラギラのドレス、髪の毛もめちゃめちゃにキメてる私は今友達が働いてるキャバクラで働いてる。飲み屋の仕事人手が足りないから今日だけ来て！って言われて、居酒屋だと思ってたらキャバクラだった。来てしまったからもう帰れないしキモイおっさん相手に御愛想してる。友達は絶対に1回ぶん殴る。

お酒も酔っ払ったフリしてちょっとしか飲んでないから全然平気なのだがチップを渡すフリして身体に触ってくる手がほんとに嫌すぎる。帰りて〜。

やっと仕事が終わったのが2時。貰ったチップもお給料も全て頂いて、靴とドレスまで貰っちゃった。また働きに来てねって言葉に絶対来ませんって言い残して店を出た。カンタくんからも富永さんからも遅いぞというお怒りのLINEが来てて慌ててタクシーに乗った。


『ただいま帰りましたぁ...』

ト｢お前遅す...ぎ...？｣

『...なんですか』

ト｢こっち来い｣


言葉数少ない富永さんに手を引かれてリビングに入ると隣同士に腰掛けた。横からの視線だけで私の頭撃ち抜かれそう...


ト｢お前飲み屋のバイトって言ったな？｣

『説明させて下さい』

ト｢言い訳は聞いてやる｣

『ほんとに飲み屋のバイトって言われたんです。居酒屋だと思って行ったらキャバクラでした。店まで連れて行かれて半強制的に働きました。友達の立場が危うくなると思ってやりました。ごめんなさい。』


友達から来てたLINEを見せると富永さんもほんとに納得してくれたみたい。


ト｢事情は分かったけどな、お前は顔出ししてるし、そこそこの認知度もある。別に俺らがなんて言われるかとかはどうでもいいけど、言われのない悪評をわざわざ被りに行かなくていいだろ？｣


やっぱり富永さんは優しい。本気で私を心配して言ってくれてる。俺らのイメージに悪影響だ！！とか言ってもなんも言い返せないことしたのに。


『ほんとにすみませんでした。もう二度と安易にバイト引き受けません。』

ト｢お前に丁度いい罰をやるよ｣

『へ...？』


富永さんがポッケから取り出したのは彼の携帯で、なんということでしょう！画面には通話中と書かれてるではありませんか！...現実逃避はよそうか。おずおず振り返ると扉にもたれてる満面の笑みカンタくん。あ、これ死んだわ...


カ｢可愛いじゃん？なんでそんなにおめかししてるの？｣

『...可愛いって言われたくて』

カ｢へぇ...誰に？｣


やべー...

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