だらしない妻と神経質な夫 8

ふたりっきり ﾘｸ ページ13

※双子妊娠前


ト｢カンチー！！｣


リビングから聞こえる大声に、なっちゃんを抱き上げカンタくんの手を引きダッシュすると、カメラを構えてるキイチと怠そうに立ってる富永さんを発見。


カ｢何？｣

ト｢なっち今日俺が貰う｣

カ｢は？｣

『何言ってんすか？』

ト｢怒る前に最後まで聞け！｣

カ｢めっちゃやだ。｣

ト｢お前チーと2人で出掛けたのいつが最後？｣

カ｢...わかんない｣

ト｢ダメです。デート行ってきて下さい。｣

『それとなっち貰う発言になんの関係が？』

ト｢なっちは今から俺らと動物園に行く｣

『カンタくん通訳して』

カ｢つまり？俺らはなっち抜きでデートすんの？｣

ト｢そう｣

『やです』

ト｢今日一日だけふたりっきりでデートすればもう言わない｣

カ｢...分かった。行こ？時間勿体ない。｣

『うぇ！？カンタくん！？』

カ｢早く！なっちの準備もあるんだから！｣

『急にその気じゃん...』

ト｢カメラ無しだからな〜？｣


カンタくんに手を引かれるまま部屋に戻って着替えとメイク、更に二人分のヘアセットをして、なっちの準備も済ませた。

急にデートなんだと思うと心臓がギュッてなって、ドクドクと主張を始める。無理...デートとか...緊張する...

ソワソワしながらリビングに入ると富永さんも出掛ける装いになってて、スリングとマザーバッグを託した。


『なっちをよろしくお願いします...』

ト｢はい、預かりました〜｣

カ｢なんかあったら連絡して？すぐ飛んでくから｣

ト｢大の大人が5人も居るから大丈夫！｣

『なっち...ママなっちのこと大好きだからね...ごめんね...』

キ｢数時間だからね？笑｣

カ｢ほんとに連絡してよ？｣

ト｢わーかったから！デートしてこい！｣

カ｢じゃあ行ってくる、トミーありがと｣

ト｢いーえー｣


サッと手を繋がれると肩が跳ねる。まずい、ほんとに不安と緊張と興奮でどうにかなりそう...


カ｢どした？｣

『あ、あんま見ないで...緊張するから...』

カ｢ん？笑｣

ト｢ほら！デート連れてかねぇからこうなる！！｣

カ｢まだ緊張してくれんの？笑｣

『なっちが居ないと無理だよぉ...』

カ｢今日は俺で我慢して？笑｣


手を引かれるままに家を出て駅まで歩く。こんなの私の心臓が持たないじゃん...


カ｢A？｣

『っ！な、に？』

カ｢ふふっ、なんでそんなキョドってんの笑｣

『デートって...どうやってたっけ...？』

カ｢...これはトミーに感謝しなきゃなぁ｣

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