だらしない妻と神経質な夫 8

怒られた ﾘｸ ページ1

喧嘩の発端は些細なもの。カンタくんが私にゴキブリのおもちゃを投げ付けた。ただそれだけなんだけど、つわりによる体調不良は無いものの、妊婦になんて事すんの！やだ！あっち行け！と少し感情的になってしまい、引き際がわかんなくなってる。そんな情けない夫婦喧嘩です。


カ｢ねぇ...ごめんね？もうしない。｣

『やだ...』

カ｢...｣

『早く撮影行け...』


カンタくんを追い出してリビングでなっちゃんと絵本で遊んでいると今日の撮影はどうやら短かったようで、すぐにカンタくんと富永さんが戻ってきた。


カ｢...A？｣


ふいっとそっぽを向くと、悲しげな溜め息が聞こえる。可哀想かもって少し思った瞬間誰かが私の頬を掴んだ。ビックリして目を見開くとムスッとしてる富永さんが居る。


『っ！？』

ト｢お前はいつまでグズグズ言ってんだよ！｣

カ｢トミー！？｣

ト｢たかが虫投げ付けられただけで拗ねんな！｣


夫婦喧嘩に突っ込んでくるなんて珍しいなと客観視してたのが悪かったのかもしれないけど、反省の色なしと思ったのか、富永さんはヒートアップしてくる。


ト｢だいたいお前はカンタのそういう所が好きで付き合ったんだろ？何今更グズグズ言ってんだよ、なっちゃんが可哀想だろうが！あ？｣

カ｢トミー！ごめん！俺が悪いから！ね？｣

ト｢聞いてんのか？｣

『...ごめんなさい』

ト｢お前がカンタに当たり強いと、こいつなんも面白くなくなるんだから辞めろ！｣

カ｢ねぇ？disだよね？ちょっと？｣

『...もう虫ポイしないで』

カ｢っ、A〜！！ごめん！もう絶対しない！！｣


飛び付くような勢いで抱き締めるのに力は身体を気遣うように優しい。本当はそんな怒ってないのに意地になっちゃったから助かった。絶対言わないけど...


『...ねちこくてごめん』

カ｢俺が悪いの！ごめんね？｣

ト｢変な意地張りやがって...｣

『富永さんが揉め事に首突っ込んでくるの珍しいです。』

ト｢カンタが死にそうな顔して動画撮るからこっちは中断してわざわざここまで来てんだよ！！｣

『えっ？それはごめんなさい！』

カ｢ねー、見てて？動画撮るとこ...｣

『分かった。』


いつの間にか寝そうになってるなっちゃんを抱いて撮影部屋へ。


ト｢俺はお前のママか！｣

『どっちかと言うと世話してんの私っすよね？』

ト｢てめぇ！！｣

カ｢ママで妊婦のAに怒鳴らないで！｣

ト｢キイチの気持ちが分かった...｣

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