だらしない妻と神経質な夫 6 (ページ37)

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大喧嘩ﾘｸページ37

今日はなんだかカンタくんの機嫌が宜しくない。何故？富永さんも珍しいなぁって感じでよく分かってないみたい。

『カンタくんどしたの』

カ｢なんもないからほっといて｣

今はそっとしておいて欲しいのかな？ちょっと離れとこう...

それからもう6時間経ってます。全然機嫌治んないし、棘は鋭くなってて、いつもならなっちゃんに構いに来るのになっちゃんすらもフル無視。

『カンタくん？』

カ｢なに｣

『不満があるなら教えて？』

カ｢...もううるさいって｣

カンタくんが初めて私にガチトーンのうるさいを放った。リビングは静まり返り、その不穏な空気を察してなっちゃんはふにゃあと泣き出した。その泣き声にすらもうるさそうに眉を顰めるカンタくんに、今まで彼に感じたことの無い感情が湧き上がってきた。

なっちゃんを富永さんに預けてカンタくんの首元を掴んだ。

『お前まじで香梨那にまでその顔すんの違う』

カ｢離して｣

『...っ、信じてたのに』

富永さんからなっちゃんを返して頂いて、自室に戻るとそのままパッキング。また申し訳ないけどお母さんの家に避難させてもらおう。大きな荷物を抱えて降りると富永さんとキイチが慌ててカンタくんに声を掛けてる。

心做しか少し怠そうにカンタくんが私の腕を掴んだ

カ｢どこ行くつもり？｣

その言葉には全く愛を感じなくて、初めてカンタくんの頬を力いっぱい叩いた。

カ｢っ！？｣

『ふざけんな！！お前が機嫌悪いだけで周りに迷惑かけてることにも気付かず香梨那にまで怠そうな顔するなら私はここにいる必要ない！勝手に機嫌悪くなっとけ！』

カ｢ちょ、まっ...｣

カンタくんが伸ばした手をパチンと叩き、睨み付けると彼は怯んだようだ。

『後日、離婚届送ります』

カ｢え、ちょ...｣

バタンと大きな音を立てて扉を閉めると家の中からキイチの大声が聞こえる。それも無視して歩き出すと5分程してキイチが走ってきた。

キ｢っ、A！｣

『...私謝らないから』

キ｢分かってる。俺も連れてって。｣

『...へ？』

キ｢カンタさんに言ったでしょ？俺はお前側に着くよって。｣

『っ、キイチありがと...』

泣きそうになる私の大荷物を代わりに持ってくれてタクシーに乗り込み、キイチを連れてお母さんのところにやってきた。

『ごめんお母さん、キイチも一緒にいい？』

母｢あら！キイチくん！どうぞどうぞ！｣

キ｢すみません...お邪魔します...｣