だらしない妻と神経質な夫

ジェットコースター ﾘｸ ページ37

『...ねぇ怖い』

カ｢今から怖いの乗るよ｣

『あんま落ちないよって言って？』

カ｢あんま落ちないかもしれないけどぐるんぐるんする｣

『ぐるんぐるんはダメな人』

カ｢でも頑張れる人だよね？｣

『寛太ぁ...手繋いでてぇ...』

カ｢もうあとちょっとだから笑｣

『やだほんとに...あー怖いよぉ！！』


頭を抱えるAと笑う俺と更に聞こえたくすくす笑い声。え？って思って振り返ると4人組の女の子。


カ｢すみませんうるさくて...｣

｢こちらこそごめんなさい、カンチーデートですか？｣

カ｢うぇ！？視聴者さん！？｣

『あーやだめっちゃやだ...デレデレなの見られたのやだ死にたい...』

｢盗み聞きするつもりはなかったんですけど...可愛いカップルだなって思ってたらなんか声聞き覚えあるなって...｣

カ｢めっちゃ恥ずかし...｣

『やばいこと言ってました？私。』

｢いや？言ってませんよ...？｣

『怖い間があった！！言ってた！多分私なんか言ってた！！』

カ｢あー怖い...こっちの方が怖い...やばい俺出てた...｣


手を離して顔を覆うとAが地団駄を踏む


『ねぇ！？情緒不安定な嫁の手を離すってどういうこと！？逃走するよ！？』

カ｢うんごめんここにいて？落ち着こ？｣

『ほんっとに怖い。両方怖い。私多分恥ずいこと言ったって恐怖と今から怖いの乗る恐怖がやばい。心臓がドキドキしてて吊り橋効果とか以前の問題。ただ苦しい時間。ねーどうしよ！頑張れないかもしれない！！』

カ｢早口トミーの後輩なところが出ちゃってるよ笑｣

｢本物だ〜！｣

｢私チーちゃんのマシンガントーク好きです｣

『綺麗な女性に好きって言われたから頑張るます』

カ｢ほら、次だよ｣

『ねぇ！？やっぱり無理！やばっ！安全なんだよね！？急に安全バーペーン！私ポーン！とかならんよね！？』

カ｢ならないよ笑｣

『サイコパスな笑顔で見てこないで！？今1番やなタイミングでサイコパス出てた！！』

カ｢怖がってんの可愛いなって｣

『おーい！口説けば頑張ると思ってる！！』

カ｢頑張ってくれないの？｣

『頑張るよお！！もう！！』


後ろの人たちもどうやら同じ車両。席に座ると痛いくらいに手を握る彼女が尊いです。


『はぁはぁ...死んじゃうよぉ...』

カ｢こんなんで死なれちゃ困るんだけど笑｣

｢頑張ってください笑｣

『頑張りますぅ...』


後ろからの応援で勇気が出たのかキリッとしたものの、次の瞬間泣きそうな顔で見てくる。その顔マジでやばい...

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