だらしない私と神経質な彼 9

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バタバタと足音が聞こえてまんずとキイチがリビングに入ってきた。


キ｢出たよ！｣

『うぇっ...吐きそう...』

ト｢見まーす笑｣

『富永さん！？』


目の前で自分が作った動画を見られる恥ずかしさ半端ない！！


カ｢おお...曲前めっちゃこだわってんじゃん？｣

ト｢え？ほんとにお前がやった？｣

『うう...私が全部やりました...』


テレビの前にぐでぇっと寝っ転がると男衆はパソコンに食らいついてて私のギターの音が鳴り響いた。富永さんは独特なリズム感でゆらゆら揺れてて、カンタくんは編集者の目で動画を見てる。


カ｢ここのエフェクトいいね｣

『その言葉だけで死んでいい』

カ｢死ぬな？笑｣

キ｢このすげぇのギターだけ？｣

『エフェクターを爆買いした。この動画の為だけに。』

カ｢え？聞いてないんだけど...｣

『カンタくんに内緒で買ってレコスタに直で届くように配送予約して、女友達と飲み行くって言って、パパにレコスタ開けてもらってレコーディングした』

カ｢え...？衝撃の事実すぎる...｣

ト｢なんでそんな本気？笑｣

『全てはラファオワ様の為に...』

カ｢あれ...嫌な予感がするなぁ...｣

ト｢もしかして信者ですか？笑｣

『隠れ信者です』

キ｢まぁ、字幕入れてたくらいなんで笑｣

カ｢嫉妬だわ｣

ト｢...ツッコミ辛いボケすんなやぁ！！｣

カ｢ふふっ、すいません笑｣


パソコン画面には彼等が私の前で踊ってる姿が


キ｢ははははは笑｣

ト｢いひひひひっ！踊り下手かよ笑｣

『キレますよ？』

ト｢え、ガチの顔すんなよ...｣


ようやく曲が終わって拍手してくれる優しい同居人方


『あ、まだ終わりじゃないっす』

ト｢え？笑｣


NG集も作ったりして...


カ｢YouTuberなった方がいい笑｣

ト｢お前やばっ笑｣


仮面を脱ぐシーンは最新の注意を払って、自分で書いたラファオワの2人の似顔絵でモザイク。そして最後は私の渾身のファンアート。これ4日かかったの。


カ｢え！可愛い！｣

ト｢お前絵上手くね！？｣

『あー怖い...反応が怖すぎる...コメント出来ないようにすれば良かった...』

カ｢もうコメント来てるよ？笑｣

『辞めてください。』

ト｢お前がラファオワのチャンネルが消えた時びーびー泣いてたのは黙っといてやるわ笑｣

『な、なんで知ってるんすか！？...はっ！きーいーちー！！！！！』

キ｢やべっ！｣

『しねえええええ！！！！』

キ｢わっ！辞めろ！おい！！｣

ト｢いひひひっ！｣

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