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あっという間に寝室に逆戻り。体温計を構えたカンタくんを見て白旗を上げた。
『確かに朝からしんどかったですけど...』
カ「もっと早く言いなさい」
狭い寝室でおもちゃ遊びをする双子を横目に、脇を差し出すと体温は39度を優に超えた。
カ「子供しか出ない程の高熱じゃん」
『なっちに伝染したりする前に寝よ...』
カ「こら!勝手にしない!俺がお世話するから!」
わざわざ看病セットとして色々持ってきてくれたようで、冷えピタや氷枕、飲み物まで至れり尽くせりだ。
陽「まぁ〜」
『はぁい。』
カ「起き上がろうとすんな」
『はぁくんこっちおいでして』
カ「ダメだよ」
『はぁくんこっちおいでして!!!』
カ「そんなおっきい声出したら頭に響きますよ」
呆れ顔で双子をベッドに乗せたカンタくんは2人に注意をしてる
カ「ママ頭痛い痛いだから暴れたらだめだよ?」
澪「あい!」
陽「まぁま〜」
私の上に登ってきた陽を軽やかに抱き上げて、カンタくんはパパの顔をする。
カ「陽くん、ダメです。ママ今しんどいだから。」
陽「やあ!!」
カ「早く元気になってね〜って頭なでなでしてあげよ?」
陽「ね〜?」
精一杯伸ばした小さな手で私の頭をぺちぺちと叩く陽が可愛くて仕方ない。この子達の為に早く元気にならないと。カラカラと扉が開いて入ってきたのはなっちゃんで、Pさんが心配そうに顔を覗かせた。
P「大丈夫?熱出たって聞いたけど。」
カ「とりあえず寝かそうかと思って。」
P「なんか食べたいものある?」
『なんも食べたくない』
P「適当になんか良さそうなもの買ってくるね」
『いいよわざわざ行かなくても...』
カ「シュークリームとプリン買ってきてやって」
言われてみれば確かに私それ食べたいです。Pさんが出ていくとなっちゃんのマシンガントークが始まる。
な「まま、ねむいの?なちもいっしょする!みぃもねむいの?はぁはねむないの?」
カ「ママしんどいんだって」
な「いーこいーこえすね〜!あいちょーぶえすよ〜!」
なっちゃんが癇癪を起こした時、いつも私はいい子いい子ですね〜大丈夫ですよ〜と宥める。どうやらそれを真似て言ってるらしい。可愛い。カンタくんに似た唇から発せられる可愛い言葉を聞きながら目を閉じる。意識が薄れるほんのちょっと前、大きくてひんやりした手が頬を撫でた。
起きた時には部屋が暗くて異常な程の寒気に襲われた。
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ぴあ(プロフ) - 杏果さん» 検索ボックスの下に(R 18のみ)というフィルターがありますのでそちらを押してもらえると見つかりやすいです。勿論ですが18歳以下の方は見れませんのでご了承ください。 (2021年3月9日 8時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
杏果(プロフ) - 読みましたっ!面白かったです! 番外編(裏)も読みたいのですが、どうやったら見つけられますか?(頑張って探しても見つからない…) (2021年3月6日 20時) (レス) id: eddee466ca (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - るちさん» コメントありがとうございます。私が今長編として書かせていただいている 3000/時 という作品には東海オンエアさんを沢山登場させていますので良ければご覧下さい。短編集まで閲覧ありがとうございます! (2020年12月2日 8時) (レス) id: e3e12464ab (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 長期更新お疲れ様でした!番外編を含む全てのお話とても楽しませて頂きました!短篇集も拝見しているのですがぴあ様が書かれる東海オンエアのお話がもっと読んでみたいです…! (2020年11月30日 23時) (レス) id: 4031c8ca36 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 久しぶりにこの2人?の新しいお話読めて嬉しいです! (2020年11月17日 3時) (レス) id: 252584ae2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2020年7月12日 8時