だらしない妻と神経質な夫 16

番外編 ﾘｸ ページ15

ちょっとしたロケで遠方に出たある日、たまたま見かけた雑貨屋さんの店先にちょっと変な顔をした猫の洗濯バサミが置いてあった。そういえば洗濯バサミ買い足そうかと悩んでる子が居た気がする。頭に最愛の妻を思い浮かべながらそれを6つ手に取りレジへと持っていった。


『うそぉ！！超可愛い！ありがとうカンタくん！！』


帰宅してAにそれを手渡すとこちらが望んでた数倍の表現で喜んでくれる。ああそうだ、お金を稼ぐようになってもこういうプレゼントを喜んでくれる人だから好きなんだ。そう考えた瞬間頭を通らずに口が動き出した。


カ｢4人目欲しいな｣

『えっ！？』

カ｢えっ？俺今なんて言った？｣

『4人目欲しいの？』

カ｢あれ、俺...4人目欲しいの？｣


混乱する俺をよそに彼女は眉を下げて笑ってる。


『4人目欲しいと思ったから言ったんじゃないの？笑』

カ｢いや、なんか...Aが好きだなって思ってたら口が勝手に...｣

『っ、それは...どうも...』


頬を真っ赤に染めた彼女は手に持っている洗濯バサミを弄った。照れてる姿を見ると表現しずらい感情が湧き上がってくる。お腹の下の方から何かがグツグツ煮立って、その湯気はまるでお香のように鼻から入り直接脳を刺激してスイッチがONに切り替わる。この場合のスイッチは勿論彼女を女性として見るスイッチだ。

何も考えずにAの腰を引き寄せて彼女の唇を柔く噛んだ。ピクンと揺れる肩が俺のセンサーに引っかかって欲望を刺激する。ダメだ、このままじゃ今すぐこの場で服を引きちぎりたくなる。必死に理性をかき集めて離れると彼女は酷く焦がれたような瞳で俺を見つめていた。


カ｢そんな顔でこっち見ないでください｣

『寛太がこうした癖に...』


しれっと呼び捨てになってることすらも俺の欲を育てる養分となる。


カ｢...あーもう、何してんだ俺は｣


自分の頬を叩いて身体を離す。


カ｢お腹すいたからご飯作ってくれる？｣

『ん、分かった。』


Aの後ろ姿が名残惜しそうに見えるのは俺が期待してるせいだろうか。熱の篭った下半身に目を向けると、男子高校生のように滾っててつい苦笑を漏らした。

着替えようかと足を一歩踏み出すと、さっき離れていったAが戻ってくる。声をかける直前、動いた彼女は俺の手を取り中指を少し噛んだ。


『後で私もおなかいっぱいにしてね』


何も言い返せず惚ける俺の下半身がやばい事だけは分かっていた。


(裏へ続く)

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