10mg ページ10
・
─4時間目 技術家庭科─
「 不破さんの班は出来ましたか? 」
「 …うーんどうだろ、なんか味がトゲトゲしてんだよね 」
「 どれどれ 」
不破さんの班の方に赤羽業が近づいていく。
「 へえ、じゃあ作り直したら?1回捨ててさ 」
そのまま鍋の柄を叩くと超生物の方へ中身を飛ばす。
ナイフで斬りかかり…
「 エプロンを忘れてますよカルマ君 」
「 …んふ 」
彼の身には可愛らしいエプロンが。
「 スープならご心配なく。全部空中でスポイトで吸っておきました、ついでに砂糖も加えてね 」
「 あ!!マイルドになってる!! 」
周りもくすくす笑っている。
彼は恥ずかしいのだろう、顔を赤くしてバンダナを握りしめた。
─5時間目 国語─
「 __私がそんなことを考えている間にも__ 」
赤羽業の額が触手で押さえられる。
「 __赤蛙はまた失敗して戻ってきた。私はそろそろ退屈し始めていた。私は道路からいくつかの石を拾ってきて__ 」
髪を整えられ、整髪剤を吹きかけられる赤羽業。
そろそろ限界みたいだ。
放課後。
何となく赤羽業のことが気にかかって、潮田くんを尾けるようにして彼の所へ行く。
「 カルマ君、焦らないで皆と一緒に
「 殺せんせーに個人マークされちゃったら…どんな手を使っても1人じゃ殺せない。普通の先生とは違うんだから 」
彼の言葉の意味を1番知っているのは赤羽業自身だろう。
今日身をもって体感しただろうから。
「 ……やだね、俺が
それはきっと、最後の抵抗だろう。
「 さてカルマ君、今日は沢山先生に手入れされましたね 」
「 まだまだ殺しに来てもいいですよ?もっとピカピカに磨いてあげます 」
不穏な空気。
「 確認したいんだけど、殺せんせーって先生だよね? 」
「 ?はい 」
「 先生ってさ、命をかけて生徒を守ってくれるひと? 」
「 もちろん、先生ですから 」
「 そっか良かった、なら殺せるよ 」
赤羽業が銃を構える。
「 確実に 」
そして消えた。
いや、違う、飛び降りたんだ。
思わず崖に走り寄る。
その高さにゾクリと足がすくむのがわかった。
超生物はどうする?
その瞬間、赤羽業の身体の下に黄色い蜘蛛の巣状の触手が広がる。
彼も、殺せなかったみたいだ。
・
139人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mamama(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!応援してます!! (4月11日 22時) (レス) id: 7a0d9b825d (このIDを非表示/違反報告)
たに - 面白かったです! (3月19日 20時) (レス) @page26 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:9109 | 作成日時:2024年1月27日 16時