【暗殺教室】1mgの希死念慮【赤羽業】 (ページ9)

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次の朝。

教室に入ると案の定、教卓でタコが串刺しにされていた。

クラスの雰囲気は重たいが、私はなんとも言えない気分のまま席に着く。

「おはよう綿貫さん」

1人だけにこやかに挨拶してくる赤羽業に軽く会釈して、机に突っ伏す。

相変わらず朝は体調が悪い。

今にも嘔吐(えず)きそうなほどの吐き気を我慢しながら、超生物が来るのを待つ。

「おはようございます。…ん？どうしましたか皆さん？」

そこで超生物はタコに気づく。

「あっごっめーん！殺せんせーと間違えて殺しちゃったぁ。捨てとくから持ってきてよ」

いくら私でもそこまでしないぞ、と思いながら超生物の方を見る。

「 ………わかりました」

超生物はそう言うと赤羽業の方に近づいていく。

そして触手の先をドリルのように高速回転させ始める。

「見せてあげましょうカルマ君。このドリル触手の威力と自衛隊から奪っておいたミサイルの火力を」

風向きが、変わった。

「先生は、暗殺者を決して無事では帰さない」

「あッつ！！」

「その顔色では朝食を食べていないでしょう。マッハでタコヤキを作りました。これを食べれば健康優良児に近付けますね」

“こういう”形なら、信用を損ねることも無く赤羽業に対抗出来る。

「先生はねカルマ君、手入れをするのです。錆びて鈍った暗殺者の刃を」

「今日1日本気で殺しにくるがいい。そのたびに先生は君を手入れする」

「放課後までに、君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう」

赤羽業は今日、受容(あっち)側に回るだろう。

いつになく強い予感、いや、同族だからこそ分かる確信。

「つまんないの」

ちょっと面白いと思ったのに、超生物の前では形無しか。

─1時間目数学─

「どうしてもこの数字が余ってしまう！そんな割り切れない悩みを持つあなた！！」

「でも大丈夫、ピッタリの方法を用意しました！！黒板に書くので皆で一緒に解いてみましょう」

ノートにさらさらと計算式を写しながら、隣をちらりと見る。

「 …………で、これを全部カッコ良くまとめちゃって、それから……するとあらビックリ………… 」

引き金を引く手は超生物に止められている。

「 ……となります。ああカルマ君、銃を抜いて撃つまでが遅すぎますよ。ヒマだったのでネイルアートを入れときました」

ご愁傷さま。

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