【暗殺教室】1mgの希死念慮【赤羽業】 (ページ22)

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「何するつもりだよ殺せんせー」

「ゴールとかどけたりして」

いやいやながらも校庭に出たあと。

不思議そうな生徒の問いに答えず、超生物はイェラビッチに問いかける。

「イリーナ先生、プロの殺し屋として伺いますが」

「 ……何よいきなり」

「あなたはいつも仕事をする時…用意するプランは1つですか？」

なるほど、つまりこれも“授業”というわけだ。

超生物がまともな感性を持っていたと喜ぶべきか、私と同じ思考をしていることを嘆くべきか。

「 …いいえ、本命のプランなんて思った通り行くことの方が少ないわ。不測の事態に備えて…予備のプランをより綿密に作っておくことが暗殺の基本よ」

その答えに満足したのだろう、次いで出た言葉を遮るように、超生物は烏間先生に問う。

「では次に烏間先生、ナイフ術を生徒に教える時…重要なのは第一撃だけですか？」

当然彼は否定する。

「 …………第一撃はもちろん最重要だが、次の動きも大切だ」

「強敵相手では第一撃は高確率でかわされる。その後の第二撃第三撃を…いかに高精度で繰り出すかが勝敗を分ける」

超生物が高速回転し始め、それは徐々に周りの空気を巻き込み、竜巻のように膨らんでいく。

「第二の刃を持たざる者は…暗殺者を名乗る資格無し！！」

超生物は、都合のいい時だけ己の力をひけらかす。

まるで、己すら教材の一部として扱っているようで、人間らしさは感じられないどころか、あの薄気味悪い理事長と似た何かすら感じる。

「第二の刃…いつまでに？」

潮田くんの問いに超生物は嗤う。

「決まっています、明日です」

「明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい」

生徒たちの顔が驚愕に染まる。

「君達の第二の刃は先生が既に育てています。本校舎の教師達に劣るほど…先生はトロい教え方をしていません」

「自信を持ってその刃を振るって来なさい。仕事(ミッション)を成功させ、恥じることなく笑顔で胸を張るのです」

「自分達が暗殺者(アサシン)であり、E組である事に！！」

果たしてそう、簡単にいくだろうか。

私は知っている。

人生とはそう上手くできていないことを。

気に入らないものは徹底的に叩き潰す理事長(あの人)のやり方を。

そして、彼らE組と本校舎の奴らの決定的な違いである

“地力の差”ってやつを。

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