【暗殺教室】1mgの希死念慮【赤羽業】 (ページ3)

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「お題にそって短歌を作ってみましょう、ラスト七文字を「触手なりけり」で締めて下さい」

「書けた人は先生のところへ持ってきなさい。チェックするのは文法の正しさと触手を美しく表現できたか」

「出来た者から今日は帰ってよし！」

触手なりけり、感嘆と過去だ。

季語にはなり得ないだろうから、他に季語を入れる必要があるだろう。

「先生しつもーん」

手を挙げたのは茅野さんだ。

「 …？何ですか茅野さん」

「今さらだけどさあ、先生の名前なんていうの？他の先生と区別する時不便だよ」

また1歩受容に進んだな、と思った。

一々そんなことを考えている私の方がおかしいのかもしれない。

周りはきっとなんとも思ってないはずだから。

「名前…ですか。名乗るような名前はありませんねぇ」

名前自体はあったのだろうか。

含みのある答えにどこかひっかかる。

「なんなら皆さんでつけてください。今は課題に集中ですよ」

「はーい」

超生物の顔がうすいピンク色になる。

潮田くんが立ち上がった。

短冊の後ろにナイフを隠している。

嫌な予感はしているが、中学生のお遊び程度だろう。

きっと死なない、まだ殺せない。

ナイフで斬りかかり、掴まれた手を振り払って超生物に抱きつく潮田くん。

なるほど、自爆テロか。

その瞬間、教室内で小規模の爆発がおき、BB弾が飛び散る。

さてどうなるか、と立ち上がって前方を覗いてみれば、潮田くんはどうやら無傷らしかった。

「実は先生、月に一度ほど脱皮します。脱いだ皮を爆弾に被せて威力を殺した。つまりは月イチで使える奥の手です」

その声は、頭上から聞こえた。

黒く染まり血管の浮き出たその顔は、超生物が見たこともない程怒っていることを瞬時に感じさせた。

超生物は教室を飛び出したかと思うと、すぐに戻ってくる。

戻ってくる際、手に抱えられていたのはどう見てもクラス全員分の表札だ。

綿貫の文字も見えた。

「政府との契約ですから、先生は決して君達に(・・・)危害は加えないが、次また今の方法で暗殺に来たら、君達以外(・・・・)には何をするか分かりませんよ」

「家族や友人……いや、君達以外を地球ごと消しますかねぇ」

そりゃあいい、なんて思ったのは私だけだろう。

きっと1番恐ろしいであろう寺坂は、ガチ泣きしていた。

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