【暗殺教室】1mgの希死念慮【赤羽業】 (ページ12)

今日:42 hit、昨日:3 hit、合計:7,485 hit

12mg ページ12

・

キーンコーンカーンコーン

「お菓子から着色料を取り出す実験はこれで終了！！余ったお菓子は先生が回収しておきます」

私が買ったアルポートがマッハ20で回収されていく。

あ、今日のご飯が…。

仕方ない、今日は夜ご飯抜きだ。

机の上に散らかった薬品などを片付けていると、奥田さんが教卓の方へ歩いていくのが見えた。

「あ…あのっ先生…毒です！！飲んでください！！」

何人かの生徒が崩れ落ちる。

「 ……奥田さん、これはまた正直な暗殺ですねぇ」

「あっ…あのあの、わ私、皆みたいに不意打ちとか上手くできなくて…でもっ化学なら得意なんで真心込めて作ったんです！！」

呆れた目で見つめるクラスメイト。

でも、超生物(やつ)は飲むだろう。

死にはしないし、生徒のためになるから。

「それはそれは、ではいただきます」

ほらね。

「こ…これは… 」

にゅ、とツノが生えてくる。

「この味は水酸化ナトリウムですね。人間が飲めば有害ですが先生には効きませんねぇ」

「 ……そうですか」

「あと2本あるんですね」

「は、はい！」

「それでは」

超生物はそのまま試験管に口をつける。

「うっうぐぁっぐぐぐ… 」

そう唸り声をあげ、側頭部に羽を生やした。

もはやその生態が分からない。

「酢酸タリウムの味ですね。では最後の1本」

クラスメイト達が身構えるのを感じる。

次の変化が気になってしょうがないらしい。

すん

超生物の顔から表情が抜け落ちた。

「王水ですねぇ。どれも先生の表情を変える程度です」

「 ……はい… 」

クラスメイトが思わずつっこむ。

「てか先生真顔薄っ！！顔文字みてーだな！！」

「先生の事は嫌いでも、暗殺の事は嫌いにならないで下さい」

「いきなりどうした！？」

それを眺めながら、大方の片付けを終える。

超生物は俯いたままの奥田さんに言う。

「それとね奥田さん、生徒1人で毒を作るのは安全管理上見過ごせませんよ」

「 …はい、すみませんでした… 」

「放課後(このあと)時間あるのなら、一緒に先生を殺す毒薬を研究しましょう」

そこで奥田さんは顔を上げた。

「 …は、はいっ！！」

…どうにもそれは、超生物が生徒を指導する前触れにしか思えなかった。

・