2mg ページ2
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英語の時間。
触手を使って器用に教える超生物。
授業は案外分かりやすくて、ノートに集中していれば特に問題ない。
月が突如爆発したあの日。
「 初めまして、私が月を
「 来年には地球も
「 君たちの担任になったのでどうぞよろしく 」
ゾッとした。
周りが平然と話を聞く体制になっていることに驚いたほどだ。
私は逃げ出したくてたまらなかったけれど、1人だけ逃げ出すなんて以ての外だ。
そこから先の話はほとんど入ってこなかった。
ただ、防衛省の人だというその男がナイフを向けているのを見て、殺さねばならないのだろうということだけは分かった。
無茶だ。無茶苦茶だ。
ただの中学生に、昨日まで死と縁遠い生活を送っていた私に、そんなことが出来るわけが無い。
気分が悪くなってきた。
「 成功報酬は百億円! 」
その言葉に周りがどよめく。
あまりの額に驚いたのか、それともやる気が出てきたのか。
上手い話には裏がある。
胃のムカムカに加えて、頭痛もしてきた。
キーンコーンカーンコーン
「 昼休みですね。先生ちょっと中国行って麻婆豆腐食べてきます。暗殺希望者がもしいれば携帯で呼んでください 」
超生物はそう言って、窓から飛び出していく。
いつまでたっても理解不能だ。
窓際で超生物について語る彼らも、しばらくしたら飽きたらしい。
しょせんE組、と聞き慣れたフレーズで会話が終わっていた。
「 ………きもちわる 」
誰にも聞こえないように小声で呟く。
エンドのE組なんてダサい異名。
当然のように差別するこの学校の仕組みも嫌いだし、それを受け入れる彼らも嫌いだ。
馴れ合いも傷の舐め合いも好きにはなれない。
じゃあなぜ私がここにいるのか。
理由は単純、先生に嫌われたからだ。
ちょっと間違いを指摘して、ちょっと正論を言っただけだ。
それを気に食わないからってE組に落とすなんて大人気ないと今でも思う。
本校舎の連中も、E組も違うベクトルで嫌いだったけれど、E組の方がずっと融通が効くから戻るのはやめた。
「 ふわぁ〜あ 」
大きくあくびをしながらドーナツにかぶりつく。
ヤンキーくずれ達と外に出る潮田くんに、嫌な予感がした。
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mamama(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!応援してます!! (4月11日 22時) (レス) id: 7a0d9b825d (このIDを非表示/違反報告)
たに - 面白かったです! (3月19日 20時) (レス) @page26 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:9109 | 作成日時:2024年1月27日 16時