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英語の時間。




触手を使って器用に教える超生物。




授業は案外分かりやすくて、ノートに集中していれば特に問題ない。




月が突如爆発したあの日。




超生物(やつ)は、ニヤニヤと三日月形に口角を上げたまま言った。




「 初めまして、私が月を()った犯人です 」

「 来年には地球も()る予定です 」

「 君たちの担任になったのでどうぞよろしく 」




ゾッとした。




周りが平然と話を聞く体制になっていることに驚いたほどだ。




私は逃げ出したくてたまらなかったけれど、1人だけ逃げ出すなんて以ての外だ。




そこから先の話はほとんど入ってこなかった。




ただ、防衛省の人だというその男がナイフを向けているのを見て、殺さねばならないのだろうということだけは分かった。




無茶だ。無茶苦茶だ。




ただの中学生に、昨日まで死と縁遠い生活を送っていた私に、そんなことが出来るわけが無い。




気分が悪くなってきた。




「 成功報酬は百億円! 」




その言葉に周りがどよめく。




あまりの額に驚いたのか、それともやる気が出てきたのか。




上手い話には裏がある。




胃のムカムカに加えて、頭痛もしてきた。




キーンコーンカーンコーン




「 昼休みですね。先生ちょっと中国行って麻婆豆腐食べてきます。暗殺希望者がもしいれば携帯で呼んでください 」




超生物はそう言って、窓から飛び出していく。




いつまでたっても理解不能だ。




窓際で超生物について語る彼らも、しばらくしたら飽きたらしい。




しょせんE組、と聞き慣れたフレーズで会話が終わっていた。




「 ………きもちわる 」




誰にも聞こえないように小声で呟く。




エンドのE組なんてダサい異名。




当然のように差別するこの学校の仕組みも嫌いだし、それを受け入れる彼らも嫌いだ。




馴れ合いも傷の舐め合いも好きにはなれない。




じゃあなぜ私がここにいるのか。




理由は単純、先生に嫌われたからだ。




ちょっと間違いを指摘して、ちょっと正論を言っただけだ。




それを気に食わないからってE組に落とすなんて大人気ないと今でも思う。




本校舎の連中も、E組も違うベクトルで嫌いだったけれど、E組の方がずっと融通が効くから戻るのはやめた。




「 ふわぁ〜あ 」




大きくあくびをしながらドーナツにかぶりつく。




ヤンキーくずれ達と外に出る潮田くんに、嫌な予感がした。









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mamama(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!応援してます!! (4月11日 22時) (レス) id: 7a0d9b825d (このIDを非表示/違反報告)
たに - 面白かったです! (3月19日 20時) (レス) @page26 id: 9b7538881a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:9109 | 作成日時:2024年1月27日 16時

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