【男主】君はしんでも変わらない？【カゲプロ×黒バス】

『漂うような日々は』 ページ6

Aside



そして夜帰るとメールが届いていた。

それを開くとある人物からのものだった。

その文面は、……

『赤司です、今日はとても楽しかったです。
先輩またこちらに来てくださいね。』

……理解ができず、その文に2、3回目を通す。

いつの間にメアドを。

もしかして青峰と1on1する時に携帯を置いた時に？

恐るべし、赤司。

と俺はかしこまった文章を見つめたまま思ったのだった。

そう言えば、前からこんなやつだったな。

俺は薄く笑った。

もしかすると、

こんな距離感を保ってくれる相手が欲しかったのかもしれない。

近くもなく遠くもない。

そんな関係。

……そういうことを考えている時はいつもシンタロー達を思い出す。

何故だろう。

やはり俺は寂しいのかな。

赤いマフラーが脳内で揺れて輝くような笑顔が浮かぶ。

どちらかの温かい手が俺の手を掴む。

隣で彼が珍しく表情豊かになって歩いている。

そんな、いつかの寒い日。

まだ俺は“僕”で、三人はいつも一緒で。

当たり前のように過ぎ去った日々。

目を瞑れば焼き付いた君。

時計の針の音が聴こえるような静かな部屋で、

携帯を手に固まったままの俺。

はっとして彼からのメールを返すために文字を打ち込んでいった。





ｰｰｰｰｰ漂うような日々は繰り返すけど、

どこからかもう狂ってしまったのかもしれない。

知らない内に世界は動いていってしまう。

俺だけを、置いて。





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