「私は親が全てだった」 ページ24
結城舞子side
私は親が全てだった。
小さい頃から両親としか接していなく、
だからこんなに人と接することが苦手なのかもしれないとも思う。
家から出たことのない5歳の子供は、
勿論親の言うことを信じ込んだ。
外の世界はこうだ、こういう人々がいる、
こんな建物がある、こんなに広い。
それを鵜呑みにして外に憧れたものだ。
そうして自分が憧れを抱く時、彼等はこう口にした。
ｰｰｰｰｰｰｰ私達はあなたを思っているのよ。
ｰｰｰｰｰｰｰだから一人で外に出ようとしてはいけないよ。心配なんだから。
ｰｰｰｰｰｰｰもし出たくなったらお父さんとお母さんと行くんだからね。
言い聞かせるように話す二人に
純粋に頷いてみせた頃の私はまだ可愛かったんだろうか。
僅かに残っている写真を見ていると、幸せそうに笑っている。
確かに幸せだった。
友達なんていなくたって、両親だけがいれば。
……中学生になってから二人の態度が少し変わった。
それでも家にいなければならないことは同じだし、
他もそんな大きな変化でもなく私は気付かなかった。
私が2年生に上がった頃。
ｰｰｰｰｰｰｰちょっと外国に行ってくるから。
ｰｰｰｰｰｰｰすぐ帰ってくるし、安心しなさい。
家の自分達の荷物を詰めた大きな鞄を持っていた時点で、
気付くべきだったのかもしれない。
それでも家の中で育った私は疑うこともなく、
そのまま
彼等は帰ってこなかった。
その後入った施設でも意味が分からなかった私は
早く帰らなきゃ、とよく施設を抜け出したらしい。
それでも両親は帰ってこなくて。
大きくなるにつれ、自分に起こったことを少しずつ理解していった。
嗚呼、私は……捨てられたんだって。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麻里佳(プロフ) - まっつんさん» その点につきましては本当に申し訳ありません……リュウは主人公をカゲロウ デイズに接触させ、この“エピローグ”の後主人公がリュウを助ける、という設定だったんですが。キャラを全く活かせられませんでした。作者が未熟で稚拙のせいです、すいません。 (2014年5月13日 23時) (
レス) id: ccf5eded65 (このIDを非表示/違反報告)
まっつん - リュウって子、何だったんでしょうか…;; (2014年5月12日 8時) (レス) id: fe049b1df2 (このIDを非表示/違反報告)
麗菜(プロフ) - 最後に謎がまた深まるってのがいいですね！(￣∀￣) (2014年5月1日 17時) (レス) id: 2638fe19db (このIDを非表示/違反報告)
麻里佳(プロフ) - 悪者ヒーローさん» 女神や←やっとテスト終わったwwww残念なイケメンとか本当、私好きなんだよね(( テンションが高いんだね！←どやぁ((((( (2013年12月13日 17時) (レス) id: 7611dc7046 (このIDを非表示/違反報告)
悪者ヒーロー(プロフ) - (微笑← ですよねww(( アリババwwwwwアリババは残念なイケメンだと思う(真顔← 赤司様はいつも最高なのさっ♪←どうした なん…だと…!!??(ﾟДﾟ)← (2013年12月12日 16時) (携帯から) (レス) id: 4ed9f42421 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：麻里佳 | 作成日時：2013年11月3日 20時
