『目が覚めて』 ページ17
Aside
・
・
・
遠くで誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた。
その声に促されるようにしてゆっくりと目を開く。
「大丈夫か？」
長い髪が目の前で揺れた。
彼女の名前がなかなかでなくて少し言葉を紡げなくなるが、
なんとか思い出して目を瞬かせる。
『キドか……なんでもない』
どうやらソファーに眠っていたようで体の節々が痛い。
体を起こすと、ご飯の良い香りが鼻を通り抜けた。
そうだ、朝だったのだ。
アンティークの時計を見上げるとまだ7時。
少しの間しか寝ていたようだ。
「急に倒れて驚いたんだからな」
『ごめん、寝不足で』
寝癖を直すように髪を触っていると
キッチンへと移動した彼女は呆れたように溜め息を吐いた。
少しボーッとしていると誰かが扉を開けて部屋に入ってきた。
「おはよう……！」
もこもこと髪を揺らして歩く彼女。
可愛らしい笑みを浮かべて挨拶するマリーはまだ寝惚けているようで
少し足取りが落ち着いていない様子。
ちらりと俺の顔を盗み見たかと思うとキドの方へ駆けていってしまった。
あっけらかんとした部屋で、ソファーに座った。
「あらあら、また距離置かれてるねぇ」
わざとらしい声に胡散臭い笑みも伴って
朝から会うと怒りが沸いてくるカノ。
いつの間に居たんだと少々驚いたが、気持ちの思うままに睨んだ。
酷いと言いながら隣に座ってくる彼は図々しくて困る。
と自然と顔をしかめるとカノが思いっきり笑った。
ｰｰｰ何かを忘れている気がするけど、
ｰｰｰ今はまだ少しでも幸せでいたいんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麻里佳(プロフ) - まっつんさん» その点につきましては本当に申し訳ありません……リュウは主人公をカゲロウ デイズに接触させ、この“エピローグ”の後主人公がリュウを助ける、という設定だったんですが。キャラを全く活かせられませんでした。作者が未熟で稚拙のせいです、すいません。 (2014年5月13日 23時) (
レス) id: ccf5eded65 (このIDを非表示/違反報告)
まっつん - リュウって子、何だったんでしょうか…;; (2014年5月12日 8時) (レス) id: fe049b1df2 (このIDを非表示/違反報告)
麗菜(プロフ) - 最後に謎がまた深まるってのがいいですね！(￣∀￣) (2014年5月1日 17時) (レス) id: 2638fe19db (このIDを非表示/違反報告)
麻里佳(プロフ) - 悪者ヒーローさん» 女神や←やっとテスト終わったwwww残念なイケメンとか本当、私好きなんだよね(( テンションが高いんだね！←どやぁ((((( (2013年12月13日 17時) (レス) id: 7611dc7046 (このIDを非表示/違反報告)
悪者ヒーロー(プロフ) - (微笑← ですよねww(( アリババwwwwwアリババは残念なイケメンだと思う(真顔← 赤司様はいつも最高なのさっ♪←どうした なん…だと…!!??(ﾟДﾟ)← (2013年12月12日 16時) (携帯から) (レス) id: 4ed9f42421 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：麻里佳 | 作成日時：2013年11月3日 20時
