バトン ページ6
「ダッセェ!!!」
「うるさい!」
紫耀が私を見て大爆笑している。
理由はまぁ……
「レッスン着インして着てるの、いつ見ても無理なんだけど」
「俺の腹チラは金が発生するの!タダでは見せられないね」
「太っただけやろ絶対」
ダンスやアクロバットをする時にTシャツがめくれて見えたら困るからインしてるのに、紫耀はいちいちうるさい。
「世間の評価は置いておいて、お前絶対モテないよな」
「女の子にはもうちょい優しくするから、俺」
私が睨んでも紫耀は怯みもせずにニコニコ。
少しすると海人がやって来て私と紫耀を引き剥がした。
今日はバトンの練習なのだが、このバトンがなかなか重い。
ただ回すだけならまだしも、投げてキャッチして、となると余計に大変だ。
「キャッチしきれずに当たったら痛いかんね〜」
そう言われたものの、意外と重さのあるバトンが上から降ってくるというのはとてつもなく怖い。
「ッうわ!」
どうにも目を瞑ってしまうので、休憩時間に海人に付き合ってもらってキャッチする練習をする。
ちなみに廉と紫耀は連れションに行ってる。
「Aくん、やっぱ一旦休憩しね?」
「ごめん、あと1回だけ。目ェガン開きでやるわ」
「う〜ん、じゃああと1回だけ!……ほいっ!」
海人が投げたバトンが降ってくる。
怖い!と思いながらも、お兄ちゃんと自分を比べたら情けなくなって気合いで目を開く。
バトンは伸ばした手をすり抜け、
ヤバい、当たる。
そう思った時には既に遅くて、
バトンは顔面に直撃した。
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作者名:7 | 作成日時:2018年10月8日 20時