撮影開始 ページ22
「どうしよう!眠くない!」
ホテルに着いたものの、時差のせいか全く眠くなれない私たち。とりあえずお腹を満たそうという事で丼を食べている。
「Aくんのもちょっとちょーだいっ」
「はいどーぞ。てかお腹すいたから食べちゃってるけどさ、ご飯食べたら余計に目ェ覚めたわ」
海人にご飯を奪われながらそう呟くと、紫耀に「お腹いっぱい!って所までいけば眠くなるはずだからきっと」と言われた。そういうものだろうか。
「真夜中なのに灯りでピッカピカだね、外」
「俺、将来はラスベガスに住むわ…」
「それだと毎日白米食べれないな」
「それ言われると日本から出れなくなるやん!」
廉が真剣に悩み出して思わず吹き出す。廉は純粋で、ちょっとおバカで本当に可愛い。
……でもそんな純粋な廉だからこそ、いつも近くにいた紫耀と自分を比べてグチャグチャした気持ちを持ってしまっているのも分からなくはない。
海人も悩みやすいけど、近くにいてあげれれば大丈夫かな、と思えるのに対して、今の廉は自分で乗り越えるしかないんだろうな、と思う。
それを分かってるのか分かってないのか、紫耀はいつもと変わらずあっけらかんとしているけど。
飄々としていて何を考えてるか分からない天才肌の紫耀。
そんな紫耀とずっと一緒に居るからこそ、認めている筈なのに少しわだかまりができてしまっている廉。
そんな2人の絶妙なバランスを保たせている最年少の海人。
そして、私。
そんな絶妙な関係性の中、Mr.KINGとしての写真集撮影がラスベガスで始まった。
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作者名:7 | 作成日時:2018年10月8日 20時