告白 ページ19
玄樹と別れて、最寄り駅に早く着くためにまたギュウギュウの電車に乗り換えた。
座席の前に行きたかったが行けず、扉に押し当てられながら電車に揺られる。
なんだか今日は疲れたな、と思い目を瞑ったその時、
お尻に手の感触。
…でも電車ぎゅうぎゅうだもんな、ちょっと触れただけだよな、だって私いま男の子っぽい見た目してるわけだし。
「……ッ！？」
触れただけだった手が撫で回すように動き出し、そこでようやくこれが�狠坿銑瓩世版Ъ韻垢襦�
紫耀といる時についでのようにお尻を触ってきた中島くん(これも問題だけど)や、Jr.のみんなでふざけてる時に触られた時とは確実に違う感覚に、体が強ばって動けない。
気持ち悪い。怖い。
動けない私に気を良くしたのか、少しずつ大きくなっていく動きに泣きだしそうになっているその時、嗅いだことのある甘い香りがふわりとした気がした。
「おい、なにやってんだよ」
手がなくなったのとその声に驚き振り返ると、そこには見慣れた顔が痴漢だと思われるおじさんの手首を掴んでいた。
「……紫耀、」
涙目の私に紫耀は目配せをして、次の駅で痴漢と紫耀と一緒に降りた。
今日はよく用事のないホームに降りるなぁ、なんて思いながら、痴漢男が駅員さんに連れて行かれる様子を見守る。
「もう大丈夫だから」
一通りの事が済んで、紫耀はようやく私の目を見て微笑んだ。
「…ｯ……しょお、」
安心から涙が止まらない私に、紫耀は優しく笑いながら涙を拭ってくれた。
仕事以外でこうやって目が合うのも、触れられるのも久々で、思わず紫耀の手を握る。
「あーー、なんか、紫耀だ」
「紫耀だからな」
「んふふ」
「おーい、気持ち悪いんですけど？」
甘い香水の匂い、男の子らしいゴツゴツした手、ハスキーな声。
紫耀の全部が私を安心させる。
伏せていた目を上げて紫耀を見ると、思ったより顔が近くてドキリとする。
「なんだか久々な気がする」
「紫耀が俺の事見ないから」
「……うん、それは自覚あり。ごめん」
少し間が開いて、紫耀は「細っせぇ手」と言いながら手を握り返してきた。
「……うん、やっぱダメだな」
「は？なにが？」
なにか諦めたように笑う紫耀に怪訝な顔をすると、さっきより強く手を握られる。
「うん。俺、Aの事好きだわ」
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作者名：7 | 作成日時：2018年10月8日 20時
