【ヘタリア】生徒会長の座奪います！

第16話　『おごり』 ページ17

英｢おい｣


雲ひとつない晴天
洗濯物が乾きそうないい天気

こんな日は
元ヤン生徒会長の日常を観察するのが
一番いいだろう


英｢いつまでついてくる気だ｣

貴｢俺が飽きるまでかな｣


今日は週に１回の学校外の見回りらしい

内容は生徒の補導


貴｢うちの生徒誰もいねぇ｣

英｢フランシスあたりが
　 俺が見回る日を言いふらしてるんだろ｣


そういえば
朝からいろんな人に
何かを言いまわってた気がする

私も昨日部屋で
｢明日はアーサーが見回りする日だかね｣と
教えてもらって後を付ける事にした


貴｢なんかおごってよ｣

英｢嫌だ｣

貴｢ケチだな｣


とくに話す事もなく
学園から10分程離れた小さな公園につく


英｢そこ座ってろ｣

貴｢置き去りにされるヤバイ｣

英｢するかよ。お前迷子なるだろ
　 いいからちょっと待ってろ｣


仕方ないので
少し木陰になったベンチに座った

ブランコには子供が数人


貴｢可愛いなぁ｣


アメリカでも公園はあるが
こんなに小さな公園はあまりなかった記憶がある

あっちはどこ行っても
基本だだっ広い

日本らしい公園だ


　｢おにーちゃんブランコ押して！｣

貴｢ん？俺？｣

　｢うん！｣


子供にまで男に間違えられるとは
学校内でもバレる心配はないだろう

ボヌみたいに
下着とか見られなければの話だが


私は女の子に手を引っ張られ
４つあるうちの一番右のブランコへ連れていかれた


貴｢よし、ちゃんと捕まってろよ？｣

　｢大丈夫！落ないよ！｣


女の子の小さな背中を
優しく押した

私はこういう子供の相手をした事がないので
少し苦手だが子供は大好きだ


英｢何やってんだお前｣

貴｢何ってどうみても
　 ブランコ押してあげてる｣

英｢･･･もう５時になるし
　 親御さんも心配するだろうから
　 早く帰れよ？｣

　｢はーい･･･
　 おにーちゃん遊んでくれてありがとう！
　 ばいばーい！｣


私にもあんな可愛らしい妹がいたらいいのになぁ


貴｢どこいってたの｣

英｢ん｣


そっぽを向きながら
渡された物はペットボトルの紅茶


貴｢･･･｣

英｢な、なんだよ！
　 いらねぇなら俺が飲む！！｣

貴｢おごり？｣

英｢あ、えっいや
　 見回りとかいつも俺一人だったし
　 おっお礼･･･とかじゃねぇからな！！
　 勘違いすんなよな！！！｣


とんだツンデレだな


貴｢じゃぁ毎回ついてこれば
　 何かおごってもられるってわけだ
　 ありがたくもらっとくよ｣

英｢今回だけだ！｣

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