24話 ページ27
ここは我が国の軍基地
外交から帰り、向かっている場所は総統室である
国の重点であるこの軍基地は迷路のようになっており、ひとつの所へ辿り着くには少し時間がかかる
外交の報告を頭の中で纏めながら長い廊下を歩いていくと、目の前にそびえるのはシンプルでありながらも豪華さを醸し出す重厚な扉
何度かノックすれば入っていいとの合図
一般兵であれば緊張で意識が飛びそうになるであろうその部屋の中に、軽々と入っていく
「ただいまぁ〜」
「ああ、お帰りオスマン。報告を」
「今回もお目当てのAちゃんはおらんかったわ。
確かに先週まではウィーンのコンクールで優勝して有名になってたはずなんだけど、俺が行った時はもうもぬけの殻。
既に他の国へ向かったっていう報告があっためう」
「…外交から帰ってきて1番に報告するのがそのお探しの女の子っていうのは如何なものなんですかねぇ」
そう言って溜息をつきながら隈のできた怖い顔をこちらへ向けるのはこの軍の実質TOP2、トントンである。俺にそんな顔しても怖くないめう〜
彼の机には大量の書類が乗っかっている。見たところ、大体グルッペンのものだろう。ご愁傷さまだ…
トントンはAちゃんとは面識が無いから、俺達が血眼になって探しているのをあまりよく思っていないのかもしれない
まぁ止められても国の権力を使って探すのだけれど。今回の外交も、Aちゃんがウィーンの有名なコンクールに出場するという情報があったから、わざわざ特に意味の無い外交を取り付けてウィーンまで向かったわけで
まぁ俺も国の第1外交官でありそんなに暇ではないため、名前が浮上する度に外国へ飛んでいる訳では無いのだが
「…そうか、」
そう言って眉間に皺を寄せつつ暗い顔をするグルッペン
ガチャッ
そのタイミングで突然入室してきたのは大先生であった
「やほ〜、書類持ってきたよ」
「ノックせい!お前は!!そんでその書類の提出期限は昨日じゃ阿呆!!」
「や〜んトンち、痛い痛い、えっ粛清剣刺さってるって!!いや、まじで痛い!!イダダダダ!!」
彼のトレードマークはくたびれたスーツに口にくわえた煙草
昔の貴族っぽい大先生の面影はすっかり消えている。俺は昔より今の大先生のが好きだけどね
トントンの粛清はまぁ長くなるので割愛し、話の続きといこう
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はゆり - エーデルワイスと言ったらあの曲が流れてきますねぇ。結構あのお話好きなんです!まぁそんなことよりもお話ものすげぇ面白いです!これからも頑張って下さいましぃ (5月1日 21時) (レス) @page10 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
年中微熱(プロフ) - 兎どんさん» コメントありがとうございます!兎どんさんの気持ちがこもったコメントを読んで心が暖かくなりました。この作品を読んでいただき本当にありがとうございました。第二シーズンの方でもよろしくお願い致します! (2019年11月8日 18時) (レス) id: 81e47a6c6b (このIDを非表示/違反報告)
兎どん(プロフ) - 1シーズン目、全て読ませて頂きました!とても素敵なお話をありがとうの気持ちでいっぱいです…。箱推しなのですが強いて言うなら3強が好きなんですが、これを読んでると総統様一筋になりそうなレベルで苦しいですw 2シーズン目を楽しみにしています!!!! (2019年11月8日 12時) (レス) id: 292a211385 (このIDを非表示/違反報告)
年中微熱(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。これからも好きと思っていただけるよう精進してまいりますので、続編でもどうぞよろしくお願い致します。 (2019年11月4日 19時) (レス) id: 81e47a6c6b (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - はぇぇぇぇええええ、好き() (2019年11月3日 20時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:年中微熱 | 作成日時:2019年9月29日 3時