33話 ページ36
《こちらロボロ。鬱よりA・エーデルワイスの姿を確認との報告有り》
《鬱は別件の為先行して帰還中。様子を見つつゾムが対象を確保、及び連行するとのこと》
「ご苦労。戻り次第Aを連れて総統室へ向かうように伝えておいてくれ」
《了解》
総統室でこの部屋の主と無くならない書類を始末していたところ、突然このような連絡がインカムに流れた
俺にもこの連絡があったってことは、幹部内放送にしたのか
自分の記憶が正しければ、鬱とゾムが例の彼女を捜索しにグルッペンの故郷まで向かったのはつい昨日のことだった
まさか、こんなに早く見つかるとは、と思いロボロに聞き返す
「なぁロボロ、それってほんまに例の彼女なん？そんなあっさり見つかるなんて…間違えとかじゃないんか？」
《うーん、大先生とゾムからの報告やしなぁ。
大先生曰く、顔の一致とバイオリンをめっちゃ上手に弾いていた様子が証拠らしいで》
「ゾムも確認しているんだろう？アイツがターゲットを間違えるようなことは無いだろう」
まぁ確かに
いや、何年も彼女と一緒におった大先生の証言よりもゾムの目の方が信頼されてるってどういうことやねん
話が落ち着いて通信を切ったところで、書類の片付けに戻ろうとすると、バタバタと総統室へ向かって走ってくる音がする
そいつが入ってきた瞬間に怒鳴ってやろうかと思っていたが、入ってきた人物は予想外の人だった
「っっっグルッペン！！Aちゃんが見つかったってほんま！？」
そう言いながら扉を激しく開け、肩で息を切らしている男はオスマンであった
こいつ、そんな顔出来たんか…
普段は表情をあまり読ませなかったり、てっきりエネルギーを無駄に消費したくない男だと思ってたけれど…
「あぁ、本当だ」
「……そっ…か…そっか、Aちゃんが帰ってきてくれるんや…」
そっか、と何度か1人で呟きながら近くの椅子に腰掛けるオスマン。冷静さを取り戻そうとしているのだろう
「…んふ、どんな風に迎えてあげようか？というか、どんな子に育ってるんやろな！もう何年も会ってないもんな」
普段のペースを取り戻したオスマンがグルッペンとそんなことを話始める
書類をやれと言おうとしたが、グルッペンの今までに見た事もない柔らかな表情を見て、咄嗟にその言葉を引っ込めてしまった
例の彼女とのご対面まで、もうすぐだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はゆり - エーデルワイスと言ったらあの曲が流れてきますねぇ。結構あのお話好きなんです！まぁそんなことよりもお話ものすげぇ面白いです！これからも頑張って下さいましぃ (2023年5月1日 21時) (
レス) @page10 id: 6422253908 (このIDを非表示/違反報告)
年中微熱(プロフ) - 兎どんさん» コメントありがとうございます！兎どんさんの気持ちがこもったコメントを読んで心が暖かくなりました。この作品を読んでいただき本当にありがとうございました。第二シーズンの方でもよろしくお願い致します！ (2019年11月8日 18時) (レス) id: 81e47a6c6b (このIDを非表示/違反報告)
兎どん(プロフ) - 1シーズン目、全て読ませて頂きました！とても素敵なお話をありがとうの気持ちでいっぱいです…。箱推しなのですが強いて言うなら3強が好きなんですが、これを読んでると総統様一筋になりそうなレベルで苦しいですw 2シーズン目を楽しみにしています！！！！ (2019年11月8日 12時) (レス) id: 292a211385 (このIDを非表示/違反報告)
年中微熱(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます。これからも好きと思っていただけるよう精進してまいりますので、続編でもどうぞよろしくお願い致します。 (2019年11月4日 19時) (レス) id: 81e47a6c6b (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - はぇぇぇぇええええ、好き（） (2019年11月3日 20時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：年中微熱 | 作成日時：2019年9月29日 3時
