【気象】男装、始めました。 Part9 (ページ45)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:83,331 hit

[397]jealousy ページ45

・

・

・

・

・

・

何が彼女を変えたんだ

俺の知らない2ヶ月の間に

・

苦手だったはずの化粧

記憶を失くしてからというもの、俺達にすら向けていた売り物の笑顔

・

何が君を変えた？

・

目の前のAちゃんは、運ばれてきたホットココアに口を付けて

マグカップにうっすらとグロスのラメがついた。

・

ふと、悠斗先生の言葉を思い出す。

・

“彼氏でもできたかな。”

・

・

・

・

・

翔「Aちゃんってさ、好きな人とかいるの？」

見知らぬ"彼氏"の存在がどうしても気になって

聞くか聞かぬか迷っている頭より先に、口が動いた。

「え//」

翔「いるでしょ？」←なぜか決めつけ

無表情で迫る俺に、顔を赤くするAちゃん。

「い、いますけど…」

一番返ってきて欲しくない答えだった。

聞くんじゃなかった。

後悔ばかりが俺を埋め尽くす。

頭も心も全部全部後悔でいっぱいだよ！！←自業自得

・

翔「どんな人なの？」

・

もう引けない。

いることを知ってしまったからには、聞かずにはいられない。

・

「…優しくて…器用で不器用で…かっこいい人、です。」

“彼”を思い浮かべたのか、幸せそうにふんわり微笑んで

目の前の俺は見えてないって感じ

・

ああ、俺はそいつに勝てないんだなって

思った。

・

名も知らぬ人に妬いた。

俺のだったのにって

・

きっと俺が今からどんなに頑張っても、もう君は振り向かない。

そんな現実を悟ってしまった自分が嫌になった。