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番外:降誕祭の怪物 6 ページ35

「ええっと、流石に予想外だったよ」珍しく困った顔の太宰さんが頬を掻きながら僕を見る。


「今回は、芥川君が娘ちゃんを守ろうとしたが故に起きた事故と云う事で許してくれるかい? 敦君」

「勘違いで殺されてたまるか…………まあ、良いですけど」


突っ込むのも面倒くさくなってため息を吐く。今回ばかりは芥川に悪気は無かったんだから責めにくい、と思ってしまう僕は疲れているのかもしれない。


「何故人虎の許しが要るのですか太宰さん」

「お前ほんと嫌い」

「僕とて同じこと」


そして睨み合う。険悪な空気を払拭するかのように、太宰さんが「まあまあ」と僕と芥川の肩に手を置いた。


「騒ぎを聞き付けた民間人が通報してくれたみたいでね、そろそろ軍警が来るから芥川君は逃げた方が佳いよ」


芥川は僕を睨んだまま舌打ち。それから太宰さんに軽く頭を下げた。


「……そうします。童、降誕祭は何が欲しい」

「? さんたさんにもらう……」

「そのサンタさんとやらは存在せぬ様だ。故に僕が、」



「もうっ、何の為に耳塞がせたと思ってるの! このぽんこつ! そう云う処がぽんこつ!」


芥川と子供を慌てて追い掛ける太宰さん。軍警のサイレンが遠くの方から聞こえてきた。徐々に大きくなっていくそれと反比例するように、三人の姿はあっという間に小さくなっていく。


軍警に今回の騒動を何て説明すれば良いんだろうとか、依頼主に何て謝ろうとか、きっとそれは全部僕の役目なんだろうなとか、言いたい事はいっぱいあるけれど。


「帰りたい……」


鏡花ちゃん、今日は御馳走にするって言ってたな。あとはサンタクロースを捕まえるって、……鏡花ちゃんはサンタクロースについて歪んだ解釈はしてないよね?

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糖莉 - めっちゃくちゃ面白くて一気読みしてしまいました。最後がとても感動?してグッときました。この作品に出会えてとても良かったです! (2022年1月30日 22時) (レス) @page50 id: b9fd4d8946 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完結されてから時間が経ちましたが、どうしても感想を伝えたくなり書き込みました。すごく好みの作品でした。最後に芥川さんが名前をつけようとするところがグッときて仕方がありませんでした。こんなに良い作品に出会えて嬉しかったです。ありがとうございました (2021年8月7日 18時) (レス) id: e438c140c8 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - dekuさん» ありがとうございます!! 完結した今でもこうして感想が来るのは本当に嬉しいです!!敦くんの話はもっと丁寧にやりたかったな〜と思っていましたが話数の都合で断念(-人-) (2019年6月30日 13時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - しぇるふぃあ。((芦原晴))さん» 語彙力のある感想に死にそうになってます……一気読みお疲れ様でした本当にありがとうございます幸せです 変わったとはいえ芥川にとって我が子に上手く愛情を注ぐのはきっと難しい事で将来は色々苦悩したりすると思います笑 (2019年6月30日 13時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)
こめ(元団子)(プロフ) - 秋霖時雨さん» ありがとうございます! 彼は自分の事を「卑しい身の上」だと思っている部分は多少なりともあって 自分の血を引いた子供は不幸になる と考えいた芥川が諸々吹っ切れた台詞だったりします(こっそり) (2019年6月30日 13時) (レス) id: a3e8a2be57 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こめ(元団子) | 作成日時:2018年10月14日 18時

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