月光 (ページ32)

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第32話 * 助けてページ32

-大野智-

ふと目が覚めた。

楽屋の時計を見ると、針が6を指している。

もう6時か...。

ちょっと寝すぎたな。

隣を見ると、ニノが幸せそうに
寄り添うように眠っていた。

智「ごめんな...。」

こんなおいらで。

こんなリーダーでごめん。

おいらはニノをソファーに寝かせ
近くにあった毛布をかけてやった。

そして再び座ろうとした時だった。

智「うっ...。」

急に頭痛が襲った。

((助けて、智くん。))

智「うぅ...。」

頭の中に声が...。

((助けて。))

この声は...翔くん？

声が聞こえなくなると同時に
おいらの頭痛も治まった。

なんだったんだ..今の。

もしかして?!

楽屋を飛び出そうとした矢先
おいらの携帯が鳴った。

智「もしもし。」

真人「智？能力者が出た。」

だとすれば翔くんは能力者に？

真人「時田さんからの情報によると
狙いは櫻井翔。」

櫻井翔。

おいらは楽屋を飛び出さずにはいられなかった。

真人「智?!俺も行くから待ってろ!!おいっ!!」

ごめん真人、待ってられない。

おいらはパーカーを羽織り
走りながらリミッターやら証やらを着けた。

いくら人間と言えとも
メンバーを見捨てることは出来ない。

本当の気持ちを知っていたとしても。

能力者を恐れていようとも。

おいらは無我夢中で走った。

場所なんてわかんないけど
翔くんが教えてくれている気がするんだ。

俺はここだよって。

それがなんでなのかはわからないけど。

翔くん、無事でいて。

To be continued ... 。