団子屋の看板娘は結野家の遠い親戚の陰陽師。【神威落ち】 (ページ22)

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第１５符　晴空の一人娘の決意　１ページ22

A『いや、だから…！／／／ …もうえぇばい…』

その瞬間、Aは気づいてしまった。

これ以上この言葉の先を言えば、自分の命が危ういと。
神楽の沖田への気持ちは微妙にだが、どう思ってるかぐらいは悟れる。

しかし、今ココで神楽にすべてを話せば、間違えなく顔を真っ赤にして
たとえAだろうと、容赦抜きで彼女を狩るだろう。

Aはそう結論付けた瞬間、Aの額から大量の冷や汗が流れた。

神楽「え～、何ヨ？気になるネ！別に言ったら、死ぬワケじゃないんだし…」

A『だからそのこつば言えば、確実に今江戸におる女の子の命が一つ亡くなるばってん！』

沖田「そんな事言ってもねィ、A。人は余計気になる生き物でさァ」

沖田も話に参加してきたが、Aが喋らなくとも次のように勝手に会話は続いた。

神楽「私、夜兎だけど、余計気になったアルヨ？」

沖田「それは、てめーには地球に生息する「ブタ」っていう生き物の血が
お前には流れてるからだ」

神楽「んなワケねーダロ、バカサド！！純粋な夜兎族の血じゃボケェェェェ！！！」

…と、まあ
いつものやり取りに戻った二人だが、

その一方で少女は他の事を考えていた。

A『…これからどうすればええんかいな？』

Aにとって、これが一番の今の問題になっていた。

沖田「俺はどっちの味方でもねーが、あの結野のお頭様が言ってる事は正しい部分もある。
…実際、真選組(オレたち)がそうだったからな。

A『え？お巡りさんたちも…？』

…俺達は今(ココ)まで来るまでに多くのモノを得たが、同時に失いもした。
だが、本当に大切なモノは失くしてなんかなかったんだ。

お前にとっちゃァ、違うモンかもしれねェ。

だが、真選組にとって一番大切なモンは
他人にも己の弱さにも負けない、強い「侍の魂」だ。

大切なモン一つ守れねーヤツは、侍じゃねェ。
ただの生きた獣だ。

A『……』

…お前にはお前の大切なモンがあるんじゃねーの？

どこのボンボンか知らねーが、いつまでも楽して生きられるなんて甘ェ考えだ。

何もしないまま終わればそれまでだが、…お前自身はどうしたいんだ？」